『近江絹糸人権争議オーラル・ヒストリー(3)朝倉克己オーラル・ヒストリー』
梅崎修さんらによる労働史オーラルシリーズの『近江絹糸人権争議オーラル・ヒストリー(3)朝倉克己オーラル・ヒストリー』をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
近江絹糸人権争議のオーラルも3冊目ということですが、今回のは争議自体の経過も3分の2ありますが、残りの後半3分の1で語っている後日談みたいなのが面白かったです。
というか実はびっくりしたのは、争議の最中の描写に出てくる前田淳さんという人が、その後東京都立大学から労働省に入ったという話があり、そうだったのか・・・と。
あと、やはり戦後日本の労働運動の最大の眼目が工員と職員の身分差別の撤廃であったことが、当事者の言葉で語られると重いものがあります。
ちなみに、朝倉さん本人による近江絹糸争議に関する著書も2冊あるようです。版元の当該ページにリンクを張っておきます。
http://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-486-6/
封建主義さながらの労働環境改善と労働者の人権を求め、十代の若者たちがストに突入したその発端は何だったのか? 彦根工場でスト決起のリーダーとして活動、『絹と明察』のモデルでもある著者が、争議に至るまでの極秘活動を、今明らかにする。
http://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-544-3/
昭和29年6月に起きた近江絹糸労働争議。大阪本社から始まり全国各地の工場へと拡がった争議は前近代的労務管理の改善を要求する人権争議であったため、世界中の注目を集めた。全繊の全面支援を受け、政財界をも巻き込んだ争議の労働者側として、当時彦根工場で新組合支部長として闘った著者が綴る22項目の要求と、106日間に及ぶ争議の実録。争議に至る原因と過当な労働管理を綴った前著『近江絹糸「人権争議」はなぜ起きたか』の続編。
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