学校における働き方改革
世間の関心は北朝鮮のミサイルと日馬富士の引退ばかりのようですが、いやいや目につかないところで重要な法政策課題が動いています。
文部科学省の中央教育審議会の学校における働き方改革特別部会の第8回会合が一昨日開かれ、そこに「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)[案]」というのが提示されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/siryo/1398854.htm
これはなかなか熟読に値する文書です。
政府全体の「働き方改革実行計画」において,いわゆる36協定により定める時間外労働の上限について,臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合であっても,上回ることのできない上限を労働基準法で設定することとされている。
36協定については,前述のとおり公立学校の教師には適用されないが,上記の上限基準は,脳・心臓疾患の労災認定基準をクリアするといった健康の確保を大前提として設けられたものであることを念頭に置き,教師についても,勤務時間に関する数値目標を設定する必要がある。
また,公立学校の教師にも適用される労働安全衛生法においては,時間外勤務が一定時間を上回り,疲労の蓄積が認められるものに対して,医師による面接指導等が義務付けられており,教師が疲労を過度に蓄積して心身の健康を損なわないような規定が設けられている。
このような状況を踏まえ,文部科学省は,公立学校の教師の長時間勤務の改善に向け,業務の総量を削減するにあたり,勤務の特殊性にも留意しつつ,勤務時間に関する数値で示した上限の目安を含むガイドラインを早急に検討して示すべきである。
そもそも、私立学校と国立学校の教師はフルに労働基準法が適用されるわけですが、公立学校の教師と雖も原則としては適用されるのだという基本のキを、もう一度確認しようとしているところは評価できます。
こういうことも、ちゃんといわれないと教育界の人はなかなか認識しないでしょうし。
勤務時間の管理については, 厚生労働省において「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29 年1月20 日)が示され,「使用者は,労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し,適正に記録すること」とされている。このガイドラインの適用範囲は「労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場」であることから,国公私立を問わず,全ての学校において適用されるものである。
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