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2017年11月 9日 (木)

大内伸哉『雇用社会の25の疑問 <第3版>』

325266大内伸哉さんより『雇用社会の25の疑問 <第3版>』(弘文堂)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.koubundou.co.jp/book/b325266.html

あなたはこの知的挑発に応えられるか!?

 7年ぶりに全面リニューアルした待望の改訂版。労働法に関する身近な疑問を、法的なルールや統計をふまえ明快に解説し、さらに深く考えさせてくれる労働法入門書です。第3版では、第2部を「基本的なことについて深く考えてみよう」から「政策について考えてみよう」と改め、「第12話 ジョブ型社会が到来したら、雇用システムはどうなるか」をはじめ、時代の変化に対応した新テーマを多く取り上げています。雇用ルールが変革するいま、労使必読の教養書です。

というわけで、本人もブログで言っていますが、「第3版」というより「新版」といった方がふさわしい内容になっています。

目次は下にコピペしておきますが、第1部はそれでも第2版とあまり変わらぬ項目ですが、第2部はむしろ労働法政策論の全面展開といった趣に一変しています。

なにしろ、第2部の冒頭が「第12話 ジョブ型社会が到来したら、雇用システムはどうなるか」ですからね。

拙著を引きつつ、ジョブ型とメンバーシップ型を説明し、そもそも正社員とはを論じ、共同体的な関係を示し、そこから職務限定の労働契約は可能かを問い、日本型雇用システムに職務給は合わないと断じ、しかし今後ジョブ型社会が到来するかと示唆し、ジョブ型時代の雇用政策はどうなるかを考える・・・という(これは見出しを適当に並べただけですが)内容です。

そういう意味では、「第14話 正社員と非正社員との賃金格差は、あってはならないものか」も「第15話 女性活躍の推進は、本当に法律でやるべきことなのだろうか」も、もとになる章は第2版にもありましたが、中身は昨今の政策展開を受けて全面的に書き換えられています。これはもう「第3版」ではありませんね。

ついでに言えば、「第20話 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入は、なぜ難しいのか」は、労働法政策としての議論自体よりも、やや近年の政治動向に対する床屋政談的な記述が多い感じがしました。いやもちろん、アベノミクスがリベラルかどうかはそれ自体面白いテーマですが。・・・と思ったのですが、実は、大内さんとしてはこの章は労働時間規制や解雇の金銭解決自体を論ずる章ではなかったようです。

第1部 日頃の疑問を解消しよう
第1章 労働者の疑問

 第1話 労働条件の決定おける「合意原則」とはどのようなものか
 第2話 社員は、会社の転勤命令に、どこまで従わなくてはならないのか
 第3話 社員の副業は、どこまで制限されるのか
 第4話 会社が違法な取引に手を染めていることを知ったとき、社員はどうすべきか
 第5話 労働者には、どうしてストライキ権があるのか
 第6話 公務員は、どこまで特別な労働者なのか

第2章 会社の疑問
 第7話 会社は、美人だけを採用してはダメなのであろうか
     ―採用の自由は、どこまであるか
 第8話 会社は、どのようにすれば社員を解雇することができるか
 第9話 会社は、社外の労働組合とどこまで交渉しなければならないのか
 第10話 会社は、社員のSNSにどこまで規制をかけてよいのか
 第11話 会社は、なぜ社員のメンタルヘルスに配慮しなければならないのか

第2部 政策について考えてみよう
 第12話 ジョブ型社会が到来したら、雇用システムはどうなるか
 第13話 労働法は、なぜ個人自営業者に適用されないのか
 第14話 正社員と非正社員との賃金格差は、あってはならないものか
 第15話 女性活躍の推進は、本当に法律でやるべきことなのだろうか
 第16話 障害者の雇用促進は、どのようにすれば実現できるか
 第17話 高年齢者への雇用政策はどうあるべきか
 第18話 少子化は雇用政策によって対処することができるか
 第19話 日本は外国人労働者にどのように立ち向かうべきか
 第20話 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入は、なぜ難しいのか

第3部 働くことについて真剣に考えてみよう
 第21話 キャリア権とはいかなる権利か
 第22話 私たちは、どうして長時間労働で苦しんでいるのか
 第23話 労働者派遣は、なぜたたかれるのか
 第24話 第4次産業革命後の労働法はどうなるのか
 第25話 私たちにとって、働くとはどういうことなのか

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