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« 『労働経済判例速報』 | トップページ | 井川志郎「EU労働法の再生となるか?」@『労旬』1898号 »

2017年11月 2日 (木)

これが言葉の正しい意味での「リベラル」

安倍首相が幼児教育無償化のために企業に3千億円出させるという話に対して、その属するリベラル民主党(Liberal Democratic Party)の一議員である小泉進次郞氏がこう批判したという記事がありました。

http://www.asahi.com/articles/ASKC16RPVKC1UTFK01W.html

As20171101005414_comml(安倍晋三首相が幼児教育無償化などの財源確保のため、企業に3千億円の拠出を要請したことについて)党は何も聞いてないし、議論もしてないですから。このままだったら自民党必要ないですよ。

 経済界の皆さんにも、考えてもらうべきことがあるんじゃないかと思いますよ。政治が頼むと、賃上げする。3千億円も頼まれれば出す。何かまるで、経済は政治の下請けなのかと。

 仮にそれだけ政治の動きに左右されるような世界だとしたら、日本にイノベーションなんか生まれないですよ。(国会内で記者団に)

何遍も言うように、こういうのが言葉の正しい意味での「リベラル」な意見です。おかしなアメリカ方言でもなければ、それをさらにねじけさせて本来の全く逆にしてしまったわけわかめの日本方言でもなく。

そう、ヨーロッパ人にならこう説明すればおそらく100%理解するでしょう。「リベラル」と名乗る政党の政権の首相が、それに反して「ソーシャル」な政策を掲げ、3%賃上げしろだの、幼児教育費を企業が負担しろだの、社会党みたいなことをやっているので、一党員ながら国民的人気のある小泉議員が党名通り「リベラル」な立場から批判した、と。

なるほどなるほど、完璧にわかった、というでしょう。

それが方言じゃない世界共通の言葉の使い方なのですから。

「経済は政治の下請けなのか」と批判するのがリベラル、つまり、政治が変に介入しないで市場に委ねるべきというのがリベラル、市場に任せているとおかしくなるので、政治で経済を何とかしようというのがソーシャルです。

(当該政策それ自体の評価はまた別です)

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コメント

ちなみに朝日新聞10月31日朝刊・「耕論『リベラルを問い直す』」に、竹内洋先生が「自民に対抗 新しい言葉で」を寄せていて(口述)、

「一方で、右派であるはずの安倍政権は同一労働同一賃金や教育無償化といった、ある意味、革新的な勢力が長く主張してきたような政策を取り込み始めています。/そんな現在、マスコミが好んで使う「保守」「リベラル」という図式は、実は選択の軸たり得ないような気がします。枝野さんはそれを察知しているから、・・・「まっとうな政治」「下からの草の根民主主義」といった政治スタイルへの言及が多くなったのかもしれません。・・・この機に、自民党と対抗できる社会像を新しい言葉で提示してほしいと思います。」

など、まことにごもっともなことをおっしゃっている。
(一応言っておくと、『革新幻想の戦後史』等の著者である竹内先生は、そんじょそこらの浅はかな論者では、そうそう太刀打ちできんぜよ)

http://www.asahi.com/articles/DA3S13206090.html

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