連合総研『非正規労働者問題の今後の課題を探る』
先日いただいた旨本ブログで紹介した連合総研の報告書『非正規労働者問題の今後の課題を探る ドイツ、イギリスの非正規労働の実状と労働組合の取り組み~日本への示唆~』が、ようやく連合総研のホームページ上にアップされました。
http://www.rengo-soken.or.jp/report_db/file/1509524389_a.pdf
序章で主査の毛塚さんが非正規労働を、雇用法制規定型、税・社会保険規定型、支配的雇用特性規定型、企業境界政策規定型、情報技術規定型等々と類型化し、後続諸章の議論を位置づけます。
第1部はドイツで、第1章(毛塚)が50ページ近い大論文、それを補完するのが第2章(中村)の組合インタビューと第3章(後藤)の協約分析。
第2部はイギリスで、第4章(有田)はもっぱら今問題となっているゼロ時間契約と個人就業者を扱っています。第5章(石田・中村)の組合インタビューに加えて、第6章(井川)は労働党のマニフェストの紹介。
第3部は上の毛塚類型でいうと最後の二つに当たる企業境界政策型と情報技術規定型を中心にドイツとアメリカを中心に興味深い論考が載っています。
第7章(榊原)はドイツの請負契約(社外労働者と個人就業者)を、第8章(小西)は社会保障法におけるその扱いを、そして第9章(藤木)はアメリカにおけるギグエコノミーの議論を紹介しています。
どれも大変興味深く、示唆的です。
今の働き方改革が一段落したら、次の課題は間違いなくこの種の「新たな非典型就業形態」になることは間違いないので、本報告書をじっくり読んでおかないといけません。
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