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2017年10月 1日 (日)

新たな就業形態への雇用契約書面指令の拡大第2次協議

去る9月25日、欧州委員会は労使団体に対し、雇用契約書面指令に関する第2次協議を行いました。

http://ec.europa.eu/social/main.jsp?langId=en&catId=89&newsId=2869&furtherNews=yes

The Commission wants to broaden the scope of the current Directive on employment contracts (the so-called Written Statement Directive), extending it to new forms of employment, such as on-demand workers, voucher-based workers and platform workers, so that no one is left behind. The current rules should also be modernised, taking account of developments on the labour market in the past decades

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欧州委員会は、現行の雇用契約に関する指令(いわゆる書面通知指令)の適用範囲を、オンデマンド労働者、バウチャーベースの労働者、プラットフォーム労働者のような、新たな就業形態に拡大し、誰も取り残されないようにすることを求めている。現在のルールは、過去数十年間の労働市場の展開を考慮に入れて現代化されるべきである。

というわけで、パート、有期、派遣といった伝統的な非典型雇用のさらに外側にある、極めて非典型な就業形態の労働者にも、最低限の-書面で労働条件を通知させるという程度のものですが-労働者保護を適用しようという方向に、また一歩近づきました。

協議文書自体はこれですが、

http://ec.europa.eu/social/BlobServlet?docId=18309&langId=en

これには200ページ近い膨大な分析文書が付いています。

http://ec.europa.eu/social/BlobServlet?docId=18313&langId=en

なお、第1次協議については、今年6月、『労基旬報』に短い解説を書いていますので、参考までに。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-b4e2.html (EUの新たな労働法政策-多様な就業形態への対応)

最近ようやく日本でも、雇用類似の働き方に対する関心が高まってきつつありますが、伝統的な労働者保護をなかなか及ぼしにくい人々であるからこそ、まずはこういう地味なところからじわじわと攻めていくことが重要なのでしょう。

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コメント

現状の採用する企業側の観点ですが、ショートタームで機動的に労働力を充填しようとした場合、通常のグローバル外資系企業ではemployment でdirect hiring(直接雇用)の正攻法で進めてしまうと社内承認プロセスに時間がかかりすぎてしまう結果、採用の機会を逸してしまいがちです。そこで、ad hocでagile な案件はserivice contract (業務委託)またはtemporary (派遣)で取り急ぎ進めていかざるを得ません。とはいえ、そのジョブが一年以上継続されているようであれば、そのポジションはdirect hiringで人材確保することが雇用側の道義的責任と考え(3年も5年も待たせずに)直接雇用にコンバートしてますよ、employer brandを傷つけないためにも…。

投稿: ある外資系人事マン | 2017年10月 1日 (日) 20時42分

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