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2017年8月 2日 (水)

『HRmics』27号は、年金特集

1海老原さんちのニッチモから『HRmics』27号が送られてきました。いつもありがとうございます。

http://www.nitchmo.biz/hrmics_27/_SWF_Window.html

1章 わかっていますか?賦課方式の長所、積立方式の問題

§1.だから積立方式は成り立たない
§2.「賦課方式=損」の舞台裏

§3.少子高齢化と年金制度の維持

2章 それでも「厚労省が悪い」といいますか?

§1. 「過去世代への甘い設計」は必要悪だった
§2.年金保険料不正流用は、どのくらいの規模だったか

§3. 所得代替率はモデル数値でみてはいけない

§4. 年金未納と無年金高齢者で日本は破綻?

3章 企業年金と退職金にも見え隠れする日本人の根源的な問題

4章 もっと本気で高負担社会

§1. 消費税論議をすれば、政権が持たないという歴史
§2.夢のような大盤振る舞いは画餅につきた
§3.マクロ経済スライドを"老人いじめ"とはき違える過誤

これ、章のタイトルを見ただけでわかりますよね。ほぼ全面的に、権丈節全開の特集です。

いや、権丈さん自身が登場するのは、その最後のインタビューのところでようやくおもむろに出てくるのですが、そこまでは(森戸さんプロデュースの第3章を除けば)全て権丈節を海老原さんが自分の言葉でかみ砕こうとした跡です。

そしてそして、雑誌で特集したらそれを東京と大阪のセミナーでやるというニッチモ流は今回も変わらず、

9月21日(木)東京、15日(金)大阪 第27回HRmicsレビュー開催

年金問題とは、結局は、高福祉は望むのに、高負担はいやだ、という日本人の「心」の問題だというのが本号の特集趣旨でした。この内容に沿って、今後の社会保障の方向を考える会を開催いたします。

≪プログラム≫

Part1

【テーマ】もう一度、年金の構造と、問題点を振り返る

本誌特集内容を振り返るコーナーとなります。今の年金運営方式の詳細と、その宿命的な課題、そして、現在騒がれている代替策の問題点などをもう一度細かくおさらいします。

【講 師】本誌編集長 海老原 嗣生

Part2

【東京会場】

<テーマ>いま、進められるべき社会保障の改革

高齢化が進む中で、社会保障のあり方はどう変わっていくべきなのかについて語っていただきます。国民負担率と社会保障の関係、こども保険、医療と介護の一体改革など、年金問題にとどまらず、包括的に社会保障を考えて、何がどうあるべきか、を示唆いただきます。

<講師>権丈 善一氏(慶應義塾大学商学部教授)

【大阪会場】

<テーマ>長期的視野に立った老後所得保障システムのあり方

ーー退職金か、企業年金か?

すでに公的年金の所得代替率は5割まで低下していくことが想定されています。  その中で老後の生活を維持していくためには、私的年金を含めたトータルな年金設計が不可欠。現状の制度ではこうした将来設計に何が問題となるのか。Chapter3の内容をさらに専門的な見地から掘り下げながら、森戸節を炸裂していただきます。

<講師>森戸 英幸氏(慶應義塾大学法科大学院教授

とのことです。

さてそのほかの記事ですが、わたくしの連載「原典回帰」は、W.E.フォン・ケテラーの『労働者問題とキリスト教』です。

誰やそいつ、という声が聞こえてきそうですが、19世紀に労働者の貧困問題の解決に努力したカトリック司祭ですが、同時代のマルクスから「徹底してやっつけなければならない」と猛烈に攻撃されていた存在です。

なんでそんなのを、と思うかも知れませんが、いやいやヨーロッパにおけるカトリシズムの存在というのは、日本人が思う以上に大きいものがあるんです。

たぶん、上智大学出身の海老原さんもご存じなかったと思いますが・・・。

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コメント

ご高覧、そして詳細なレビューありがとうございます。昨日は研究会、私見をまくし立てたあとさっさと退席という非礼、失礼いたしました。
巻末あとがきにて、権丈さんととまに濱口さんにも少々言及させていただきました。その点も、ご海容いただければ幸いに存じております。

投稿: 海老原嗣生 | 2017年8月 4日 (金) 13時44分

いえいえ、みんな海老原節に圧倒されていましたよ。

拙論の最後で、

>冒頭述べたように、カトリシズムというファクターへの着目は政治学においてもようやくごく最近始まったばかりですが、労働問題でも、あるいはむしろ労働問題においてこそ、ヨーロッパの現実を考えるモノサシとして不可欠なものとして研究される必要があるように思います。上智大学出身の皆様方は特にね。

などと、海老原さんへのあてこすりめいたことを書いたりして、大変失礼しました。

投稿: hamachan | 2017年8月 4日 (金) 19時36分

>誰やそいつ、という声が聞こえてきそうですが、19世紀に労働者の貧困問題の解決に努力したカトリック司祭ですが
>なんでそんなのを、と思うかも知れませんが、いやいやヨーロッパにおけるカトリシズムの存在というのは、日本人が思う以上に大きいものがあるんです。

不信心者なのでカトリシズムには全く縁がないのですが、1960年代に(カトリックの信仰が盛んな)中南米で解放の神学というのが流行って(?)カトリックの神父さんが信者の貧困を解決するために政治活動を行ったと思います。
これもhamachan先生がおっしゃる神父さんの後継者(?)なのででしょうか?

投稿: Alberich | 2017年8月 4日 (金) 21時38分

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