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2017年7月12日 (水)

労基法の時効見直し?

本日、労働政策審議会労働条件分科会が開かれたようで、その資料がアップされていますが、

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000170998.html

そのなかに「資料No.2-2 民法改正に伴う消滅時効の見直しについて」というのがあります。

その詳しい資料はこれですが、

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000170991.pdf

要するに、民法の大改正で短期消滅時効がなくなり、一般債権は原則5年に統一されたのに、労基法の時効だけは2年のままであるのをどうにかしようという話です。

仮に5年に統一されるとなると、未払い賃金も5年分、未取得年休も5年分となり、労働関係法曹の皆さんにとっては結構大きな話になりそうです。

(追記)

既に海上さんのコメントがついていますが、未払賃金の5年分はどんなに膨大な額になろうが払わなかった使用者の責任と言えますが、未取得年休の5年分は、現行法上労働者が取ると言わないと(計画年休を取った場合の5日分を除けば)使用者が無理に取らせることができない制度設計であることを考えると、なかなか難しい問題です。

年休100日分というのは、週休2日で概算すると5か月分に相当します。それだけ年休を貯められる仕組みというのはやはり考え直す必要はありそうですが、とはいえ、時効の改正をするつもりが年休制度の抜本見直しの話に入ってしまうと、いつまで経っても結論が出ない危険性もあり、悩ましいですね。

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コメント

その際、今後の労政審議論があらぬ方向(国際社会のルールとずれる方向)へ進まぬよう、念のためここで付言しますが…。未払い賃金の時効期間引き上げはよろし(仕方なし)としても、未取得年休の繰越し期間延長は賛成できませんね。

目下、低水準な日本人の有休取得率ですが、その原因の一つに時効二年(翌年通年の持越し可)及び持越し日数制限なしという現行法制の制度設計のマズさがあり、モラルハザードを起こしていると考えられるからです。年休は原則、あくまでも当年に取得することが期待される労働者の権利です。それを現行でも二年間と引き伸ばしておくから「当年中に無理してとる必要なし」との意識なり「働き方」が生じているのでしょう。

ここはJILPTさんの調査力を十二分に発揮して頂き、各国の年休法制と年休取得率の相関関係を(できれば因果関係)を分析し、労働者が逆選択を起こさぬよう慎重に制度設計をして頂きたい。なお小職の知る限り、翌年持越し期間(キャリーオーバー)はQ1(1-3月)まで、持越し上限日数(キャップ)は5日のみ、というのが多くのグローバル企業で運用しているスタンダードであり、それもあって「できるだけ有休は当年で使い切るように」とのインセンティブが働いているのです。

投稿: 海上周也 | 2017年7月13日 (木) 08時18分

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