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2017年7月15日 (土)

「こんな仕事をするために、この会社に入ったのではない!」

拙著を読んでいる人には耳タコな話ではありますが・・・・。

あるブログにこんなエントリがありまして、

http://seto-konatsu.hatenablog.com/entry/2017/07/08/%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E3%80%81%E3%81%93%E3%81%AE%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%81%A3%E3%81%9F_1

 「こんな仕事をするためにこの会社に入ったんじゃない」「電話番をするために入社したんじゃない」「雑用をするために就職したんじゃない」

 最近はこのように主張する若者や、こう言って辞めてしまう新入社員がいるのだという。こんな近頃の若者にどう対応したら良いのかわからないと嘆く先輩社員や上司もいる。

 初めは私も、40~50代の先輩社員らと大体同じ意見を持っていた。

 雑用をこなしてわかること・身につくことも多いだろうし、電話応対で得られるものはきっと大きいだろう。何事においても「基礎固め」はつまらないものだ。でも最初にしっかりと土台を作ることは大切であるし、それが後々力を発揮するのだ。

 これらの経験は将来自分がやりたい仕事に就いたり、希望する部署で働くためにも欠かせないと考えていた(もちろん確かにそういう面はある)。

 でも今は、「こんな仕事をするために」と言って辞める若者には一理も二理もある、むしろ真っ当な判断だと思うようになった。

だいたいにおいて、この手の話は常に、そもそもどっちが正しいか、とか、あるべき姿は何か、みたいな論じられ方をするわけですが、いうまでもなく雇用という契約関係において重要なのは、両者間で明示にせよ黙示にせよ、どういう約束になっているのかということです。

日本以外の世界の常識からすれば、

「この仕事をできる人はいますか?」

「はい、私はその仕事をできます」

「では、この仕事をしてください」

と言って雇われたのに、それとは全然違う「こんな仕事」をやらされたりしたら、それこそ契約違反であり、詐欺ですらあります。

そういう社会においては、およそまともな社会人であれば「こんな仕事をするためにこの会社に入ったんじゃない」というのが当たり前、どころかもし言わないとすれば、自分の最低限の権利すら守る気のない人間失格と思われるでしょう。

メロンを買う契約をしたのにニガウリを渡されて、黙って受け取ってむしゃむしゃ食ってたら、ただのあほと思われるのと一緒です。

ジョブ型社会というのは、要するにそういうことですね。

ところが、この日本では、そもそも雇用というのはそういう約束だと思われていない。

「我が社の仕事は何でもやりますか?」

「はい、御社の仕事は何でもやります」

「では、我が社に入社して、ますはこれをしてください」

という約束なので、それがどんな仕事であろうが、命じられたらやるのが当然、それに文句をつけるなどというのは天地ともに許されざる悪逆非道、ということになるわけですね。

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コメント

現実の職場では、新しいプロジェクトや新たな業務が発生した場合にそう易々とはメンバーの誰かにアサインできないのが、ジョブ型組織運営のツラいところです。

部下とのこんな会話は、ジョブ型世界では日常茶飯事ですから〜
「そもそもそれは私の仕事でしょうか?」
「それをやったら定時に仕事が終わらなくなりますよね」
「その分、来月から私のベースサラリーは上がりますか?」…

とはいえその仕事をチームの誰かが引き受けないわけにはいかない、一方で、現時点では誰にもアサインできない場合はどうするか?…その時はおそらく、ひとまずマネジャー自身が自分で引き受けるしかないでしょうね。

新しい仕事をマネジャー自ら何度かやってみる。試行錯誤しながらノウハウを身につけ、標準化とまではいかないまでも簡単なマニュアルを作った上で、次の機会を見つけて部下にアサインできるように準備しておくのです。

すると、マネジャーになった後でも担当者同様のテクニカルスキルが不要になる訳では全くなく、いざとなれば担当者の実務を自らハンドリングできないようでは組織上で「浮いた」存在になりかねません。

しばし外資系マネジャーポジションの募集要項(JD)に見受けられる表現に「hands-on 」という言葉がありますが、これはそのような状況で適切にチーム及びタスクをコントロールしうる姿勢とスキルといえると思います。

日頃チームのサポートに尽くす一方で、いざとなれば自ら担当者実務を楽しんで取り組める…こんな謙虚なリーダーが(少なくとも)グローバル外資系マネジャーに求められています。

投稿: 海上周也 | 2017年7月17日 (月) 07時36分

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