ただで良いサービスをしてれば生産性は低くなる
今まで本ブログで何回も書いてきて、いい加減書き飽きたネタであり、読者も読み飽きたネタだと思いますが、
http://www.sankei.com/economy/news/170712/ecn1707120018-n1.html(生産性本部、日本のサービス品質、米より10~20%上回る)
日本生産性本部は12日、日本と米国のサービス産業の品質比較を発表した。これによると、調査対象の28分野すべてで、日本のサービス品質が米国よりもよく、10~20%上回っているという。日本のサービス産業の労働生産性は米国の約半分とされるが、日本の高いサービス品質が価格や生産性に十分反映されていないとし、同本部では「サービスを『見える化』して、価格に転嫁すべき」としている。・・・
まさに、アメリカよりも高いレベルのサービスをディスカウントして「おもてなし」しているから、金額ベースの(付加価値)生産性が低くなるわけですね。
ということを、日本生産性本部がここまではっきりと言ってくれるようになったということに、改めて感慨深いものがあります。
ただ「「サービスを『見える化』して」という言葉の意味が今一つわかりにくい感はあります。サービスは見えているので、その見えているサービスにふさわしい対価をちゃんといただくようにスルニはどうしたらいいか、というところが問題なのでしょうけど。
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公益財団法人 日本生産性本部のプレスリリース資料をみると、以下の一文がありますね。
> 前回調査(2009 年)では日本人・米国人ともに対象 18 分野中 17 分野で日本のサービス価格が米国を上回っていたが、今回調査をみると日本の価格の方が低くなっている分野が大幅に増加。
2009年はリーマン ショック直後ぐらいで、たしか1ドル80円台くらいの円高基調であったように思います。2017年はそこから比べると大幅な円安で1ドル110円台くらいですから、為替要因が大きいように思いますね。購買力平価ベースでは1ドル100円くらいが妥当な水準といわれていますので、今の方が実態に近いのかもしれませんが。
なお、公益財団法人 日本生産性本部のサイトはいまいち使い勝手がよろしくなく、固定リンクをうまく張れません(PDFの資料には張れるのですが)。以下から「日米」というキーワードで検索すると、一連の資料を探せます。
調査研究トップ > 詳細検索
http://activity.jpc-net.jp/activity_search.php
・2017/07/12 サービス品質の日米比較
・2016/12/12 日米産業別労働生産性水準比較
・2009/03/31 同一サービス分野における品質水準の違いに関する日米比較調査
投稿: IG | 2017年7月20日 (木) 23時06分