『JCM』2017年春号
金属労協JCMの機関誌『JCM』の2017年春号については、既に先月14日のエントリで紹介していましたが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-9791.html (欧州におけるデジタル経済と労働に関する動向@『JCM』2017年春号)
その後、ようやくJCMのホームページに全記事がPDFファイルでアップされ、読めるようになったので、改めてリンクを張ってご紹介しておきます。
http://www.jcmetal.jp/news/kouhou/kikanshi2/20809/
巻頭言 ふたつの「デジタル化」浅沼弘一 PDF
主張 価値を認めあう社会の実現にむけて宮本礼一 PDF
特集リード 第4次産業革命とものづくり産業の未来リード PDF
特集1(インタビュー) 第4次産業革命のもたらす影響中沢孝夫(聞き手:浅沼金属労協事務局長) PDF
特集2-1 第4次産業革命と働く者の未来 浅井茂利 PDF
特集2-2 インダストリー4.0の現状と将来 川野俊充 PDF
特集2-3 ドイツにおける゛労働4.0”ホワイト・ペーパー 山本陽大 PDF
特集3 欧州におけるデジタル経済と労働に関する動向 濱口桂一郎 PDF
ワールドナウNo.101 欧州労働組合運動のポジション 小島正剛 PDF
ジュネーブ便り第13回 スイスにおけるインダストリー4.0の潮流 松﨑 寛 PDF
政策・制度解説コーナー 40 CSRとユニオン・ショップ 浅井茂利 PDF
組合訪問記 昭和飛行機労働組合 川上晴司執行委員長他 PDF
加盟組織一覧表 地方ブロック一覧表 PDF
フロントページ解説 昭和飛行機工業株式会社 編集後記 PDF
私の文章の一部を引いておきます。中身のあんこ部分はリンク先で読んでください。
ここ数年来、経済のデジタル化に関わって労働の未来についての議論が世界的に急速に高まってきました。日本でも、厚生労働省が昨年2016年8月に『働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために懇談会報告書』をまとめていますが、どちらかというとふんわりした評論家風の議論になっており、欧米における詳細に突っ込んだ議論といささか落差があるように見えます。
本稿では、主として欧州において経済のデジタル化によって急速に拡大しつつあるビジネスモデル-シェアリング・エコノミーとかコラボラティブ・エコノミーとかプラットフォーム・エコノミーとか呼ばれている仕組み-に着目して、公的機関や労働組合が議論している文書をいくつか取り上げ、日本における議論の示唆として貰えればと思います。
1 欧州生活労働条件改善財団の報告書
2 欧州委員会の「コラボラティブ・エコノミー」文書
3 欧州議会の「コラボラティブ・エコノミー」に関する分析
4 欧州労研の「デジタル経済」に関する報告書
5 インダストリオール欧州のデジタル化関係文書
6 フランクフルト・ペーパー
7 最後に
残念ながら日本ではまだこうした議論が労働の世界で本格的に展開されるまでに至っていません。連合がようやくクラウドワークの調査を始めたところであり、欧米に比べて数年遅れの状態と言えます。とはいえ、現実はかなり先を行っているようです。本稿で紹介した諸文書も参考にしながら、今後日本でもこうした問題が労働組合の中で、あるいは労働法や労働経済などの研究者の間で、熱心に議論されるようになることが期待されます。
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