透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会報告書
連合のホームページにはさっそく、逢見事務局長名で
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=895(厚生労働省「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」報告書に対する談話)
がアップされているというのに、肝心の厚生労働省のホームページでは正式の発表はされていないようです。
ただ、5月29日の透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会のところに「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」報告書(案)(PDF:3,184KB)が載っているので、この「(案)」のついた文書が、若干の字句修正を伴って「(案)」のとれた正式の「報告書」として発表されることに、この会議で合意が成り立ったのであろうと思われます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000166105.pdf
まだ正式の発表に至っていないのは、その字句修正に手間取っているからだと思われ、少なくとも大内伸哉さんのこの理解は誤解だと思われます。
http://lavoroeamore.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/skype-4df1.html
・・・昨日の新聞報道によると,厚生労働省の検討会の報告書では,金銭解決の導入は見送りになったようです。個人的には,いまは見送りでいいと思います。・・・
で、その「(案)」のついた報告書ですが、いわゆる解雇無効時における金銭救済制度について11ページから30ページまで約20ページを費やして、非常に細かな法学的検討をしています。
関係者は知っていることですが、過去にこの問題がうまくいかなかった理由は、表の議論の世界における政策論の対立とともに、あまり表だっては語られてきませんでしたがむしろより大きなファクターとして、そもそも解雇無効だといって地位確認を請求している労働者側がなんで金銭解決を請求できるのかという民事訴訟法上の大問題があったからで、政治的に困難な使用者側申立の方が法律的理屈は立ちやすく、政策的に通りやすい労働者側申立の方が法律的理屈が立ちにくいという皮肉な状況にあったわけです。
この報告書は膨大なので、むしろリンク先をじっくりと読んでいただいた方がいいのですが、今までの訴訟法上の議論の轍から抜け出して、実体法上の権利を構成するという方向を打ち出している点が興味深い所です。
「労働契約解消金」とか「金銭救済請求権」といった新規な概念が提起されており、労働法関係者にとっていろいろと考えるネタがたっぷりあるはずです。
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