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使用者の労働法知識向上の促進@規制改革推進会議

昨日、規制改革推進会議の第1次答申が出されたようです。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20170523/170523honkaigi01.pdf

いろんな分野のいろんなことが書いてありますが、労働関係では例の労働基準監督業務の民間活用の話があまり懸念されるような変な形にならないように決着したので、それほど目立つような項目はありません。

2. 人材分野

(1) 規制改革の目的と検討の視点

(2) 具体的な規制改革項目

① 転職先がより見つけやすくなる仕組みづくり

ア ジョブ型正社員の雇用ルールの確立

イ 職業紹介事業を行う場合における行政手続の簡素化

② 転職して不利にならない仕組みづくり

ア 法定休暇付与の早期化

③ 安心して転職できる仕組みづくり

ア 使用者の労働法知識向上の促進

(3) 重点的にフォローアップに取り組んだ事項

① 労使双方が納得する雇用終了の在り方

この中で、おやおや規制改革推進会議がそれを言い出しますか、というのが「使用者の労働法知識向上の促進」という項目です。曰く、

ア 使用者の労働法知識向上の促進

【平成 29 年度検討・結論、結論を得次第速やかに措置】

職業安定法(昭和 22 年法律第 141 号)では、職業紹介事業者に職業紹介責任者の選任を義務付け、その選任対象者には、必要な知識を習得させるための講習の修了を必要とすることにより、一定の知識水準を担保する仕組みが存在する。また、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)や労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60 年法律第 88 号)においても、一定の知識水準を担保する類似の仕組みが存在する。

しかし、労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)といった基本的な労働法の知識向上については、同様の仕組みが存在しない。すなわち、同法第 105 条の2において、「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、この法律の目的を達成するために、労働者及び使用者に対して資料の提供その他必要な援助をしなければならない」とされているだけであり、使用者の自発的な取組に任されている。

したがって、使用者が基本的な労働法の知識を十分に得るための方策について、幅広く検討を行い、必要な措置を講ずる。

Rodoho ええっと、これってもしかして、およそ事業主が人を雇って働かせようとする場合には、労働法のテストを受けて、もし不合格だったら、所定の労働法講習をちゃんと受けなければならないとかという仕組みを導入しようという話とか?

なかなかすごい規制強化ですが、いやもちろん規制改革とは往々に誤解されるように規制緩和のことではなく、規制のあり方を(強化の方向にも、緩和の方向にもそれぞれの状況に応じて適切な方向に)変えていくことなのですから、別に特別変なことを言っているわけでもありません。

例の労働法教育の研究会を立ち上げたのは2008年ですからもう9年前になりますが、少しずつ世の中に広まってきて、ついに規制改革推進会議もこういうことを言うようになったかという感じです。

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