『エルダー』5月号に『EUの労働法政策』の書評
雑誌『エルダー』は、わたくしの連載が4月号でちょうど終わったところですが、その後の5月号に、拙著『EUの労働法政策』の書評が載っております。
http://www.jeed.or.jp/elderly/data/elder/q2k4vk000000vc38-att/q2k4vk000000vc5s.pdf
最新のEU労働法の体系を歴史的・網羅的に解説EUの労働法政策濱口(はまぐち)桂一郎 著/独立行政法人労働政策研究・研修機構/2500円+税本書の著者は、評判のブログ「EU労働法政策雑記帳」で日々発信を続ける濱口桂一郎氏。雇用・労働問題のブロガーとして著名だが、日本で数少ないEU労働法の研究者でもある。本書は、1998年に刊行した『EU労働法の形成』を全面的に改訂し、EUの労働法政策に関する最新の情報を盛り込んだ。本文500ページを超える大著である。著者は、EU労働法の全領域にわたり、指令として結実したもの、あるいは結実していないものも含めて、法政策として取り上げられたほとんどのトピックを、公刊資料などをもとに「歴史的視座に立って叙述した」としている。現在のEU労働法の全貌を、歴史的な側面からとらえるためにも、本書の価値は高い。EU労働法は、非正規労働者の均等待遇や労働時間規制問題など、日本が労働法制の見直しをする場合、たびたび引用され、比較される重要資料である。しかし、その全貌を理解するには、骨が折れることもまた事実。本書は、EU諸国に進出する企業の担当者にとって必読の書でもあるが、同時に、EU労働法が日本の労働法制に与えている影響に関心のある人にとっても一読の価値がある。
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