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2017年5月19日 (金)

日中雇用・労使関係シンポジウム(再掲)

明日、明後日に明治大学で日中雇用・労使関係シンポジウムが開かれます。再度の告知になりますが、興味のある方は是非。

http://www.meiji.ac.jp/osri/topics/2017/6t5h7p00000o96nb.html

この度、われわれ明治大学現代中国研究所は、非正規労働をめぐる日中間での国際シンポジウムを開催することになりました。

北海道大学で5年前に第1回が開かれ、北京首都経済貿易大学で開催された2年前の第2回に引続き、今回第3回目の開催となります。

2日間にわたる過密スケジュールで誠に恐縮ですが、ご関心のあるセッションの参加だけでも、心から歓迎いたします。

皆様のご参加をお待ち申し上げております。(1日目と2日目の会場が異なるのでご注意ください)

明治大学現代中国研究所主催、明治大学労働教育メディア研究センター後援

第三回 日中雇用・労使関係シンポジウム ——非正規時代の労働問題——

(第三届劳动关系与劳工问题 日中学术研讨会——非正规雇佣时代的课题)

日程:2017 年5月20日(土)~21日(日)

会場:明治大学駿河台校舎リバティタワー1階 1012教室(5月20日)

    明治大学グローバルフロント1階 グローバルホール(5月21日)

司会:鈴木賢(明治大学法学部教授、北海道大学名誉教授)

通訳:及川淳子(桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群専任講師)

   徐行(東京大学東洋文化研究所助教)

<5月20日>

会場:明治大学駿河台校舎リバティタワー1階 1012教室

9:00-9:30 参加者受付、資料配布

9:30 開幕

9:30-9:35

 日本側代表挨拶:石井知章(明治大学商学部教授)

9:35-9:40

 中国側代表挨拶:楊河清(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

9:40-10:40

 記念講演1 花見忠(上智大学名誉教授) 

 演題:「過労死問題の法文化的考察」

10:40-10:55 休憩

10:55-11:55

 記念講演2 常凱(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

 演題:「中国における非正規労働政策と課題」

11:55-12:20 質問と討論

12:20-13:20  お昼休み

13:20-15:00 <セッション1 非正規雇用と法規制>

コーディネーター 馮喜良(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

(発表時間:1人10分、通訳を含め20分以内)

1、濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構労使関係部門統括研究員)

  テーマ:「日本における非正規雇用の歴史」

2、陶文忠(首都経済貿易大学労働経済学院副教授)

  テーマ:「中国の非正規雇用労働についての境界設定」

3、劉誠(上海師範大学教授)

  テーマ:「Analysis on Anti-Labor Contract Law Viewpoints(反労働契約法的観点についての分析)」

4、範囲(首都経済貿易大学労働経済学院副教授)

  テーマ:「独立請負人、あるいは労働者:中国ネット予約タクシーの法律身分に関する境界設定————判例を基礎として」

15:00-15:20 質問と討論

15:20-15:35 休憩

15:35-17:15 <セッション2  労使関係と団体労使争議の処理>

コーディネーター  藤川久昭(青山学院大学法学部教授)

1、鈴木賢(明治大学法学部教授、北海道大学名誉教授)

  テーマ:「日本における非正規労働者の増加と労働組合」

2、早川智津子(佐賀大学大学院地域デザイン研究科・経済学部教授)

  テーマ:「日本の労使関係と紛争処理制度」

3、戸谷義治(琉球大学法文学部准教授)

  テーマ:「非正規労働者と団結権保障」

4、石井知章(明治大学商学部教授)

  テーマ:「非正規雇用問題に関する日中比較研究」

17:15-17:35 質問と討論

<5月21日>

会場: 明治大学グローバルフロント・グローバルホール

9:30-11:40 <セッション3 非正規就業労働者の権利保護>

コーディネーター  楊河清(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

1、龍井葉二(前連合非正規労働センター長)

  テーマ:「非正規雇用と労働運動~連合の取り組みを中心に」

2、高須裕彦(一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センタープロジェクトディレクター)

  テーマ:「日本の非正規労働者と労働組合・労働NGOの取り組み」

3、馮喜良(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

  テーマ:「インタネット・プラットホーム雇用モデルにおける労働者権益の保護研究」

10:30-10:40 休憩

4、山下昇(九州大学法学部教授)

  テーマ:「能力不足を理由とする解雇の日中比較」

5、阿古智子(東京大学総合文化研究科准教授)

  テーマ:「戸籍をめぐる雇用差別から考える中国の労働者の権利」

11:40-12:00 質問と討論

12:00-13:00 お昼休み    

13:00-15:00 <セッション4 労働力市場の法規制>

コーディネーター  早川智津子(佐賀大学大学院地域デザイン研究科・経済学部教授)

1、梶谷懐(神戸大学大学院経済学研究科教授)

  テーマ:「中国の労働問題と日中関係—歴史的視点から」

2、小玉潤(社会保険労務士法人J&Cマネジメントパートナー代表社員、特定社会保険労務士)

  テーマ:「日本における過労死問題と法規制」

3、呂学静(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

  テーマ:「中国における新業態就業と失業保険問題に関する研究」

4、王晶(首都経済貿易大学労働経済学院副教授)

  テーマ:「中国における経済の労働関係享有に対する挑戦」

5、崔勛(南開大学商学院教授、博士課程指導教官)

  テーマ:「非典型労働者における雇用の安全感と公平感の組織アイデンティティに対する影響研究」

15:00-15:20 質問と討論

15:20-15:30 休憩

15:30-16:50 <セッション5 日中間における労働関係のホットイシュー>

コーディネーター  阿古智子(東京大学総合文化研究科准教授)

1、藤川久昭(青山学院大学法学部教授)

  テーマ:「労働裁判・労働審判手続において労働法学は有用か」

2、楊河清(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

  テーマ:「中日両国における過労問題研究状況の比較」

16:50-17:10 質問と討論

17:10-17:30 

 総括コメント:常凱(首都経済貿易大学労働経済学院教授)

17:30-17:35

 閉幕のあいさつ:鈴木賢(明治大学法学部教授)

6t5h7p00000o96pg

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コメント

昨日、今日とほぼ全日このシンポジウムに出て、いろいろと感想がありますが、一言で言うと、「非正規雇用」という統一テーマに対して、日本側は(私も含めて)より伝統的なというか非正規労働を取り上げていたのに対し、中国側はほぼ軒並みに、シェアリング経済、プラットフォーム経済という時代の最先端の新しい非正規労働を取り上げていたのが印象的でした。

それはもちろん一つには、日本ではUberがまだ解禁されていないのに対して、中国ではUberに加えて、むしろ中国で生まれた滴滴出行など既に経済のかなりを占めるにいたっているということがあるのでしょう。

しかしそれだけではなく、戦前からある包工頭(日本側の梶谷さんが指摘)や過去数十年間に大きな問題であったはずの農民工(日本側の阿古さんが指摘)といった、まさに日本側の非正規問題と対応するような問題が、かえって「非正規」問題と認識されにくいという認識論的な問題もあったような気がします。

あと、やや非本質的な感想をいくつか、
早川智津子さんの見事な中国語能力に感嘆。
猫に鈴をつける、どころか平然と鈴をぶつける藤川さんの心臓に感嘆。
職業的通訳でないのに、労働問題というかなり専門用語の頻出する討論を見事に通訳された及川淳子さんと徐行さんに、これは言葉の正確な意味で、掛け値なしに賛嘆しました。

シンポジウムでは貴重なご意見をどうもありがとうございました。

>戦前からある包工頭(日本側の梶谷さんが指摘)や過去数十年間に大きな問題であったはずの農民工(日本側の阿古さんが指摘)といった、まさに日本側の非正規問題と対応するような問題が、かえって「非正規」問題と認識されにくいという認識論的な問題

 この問題ですが、むしろ農民工など「古い」問題の解決に機能するはずの近代的諸制度(法の支配や公権力から相対的に自立した中間団体など)が社会に根付いていないため、かえってシェアリング経済などの「新しい」現象が抵抗なく受け入れられ、その結果として非正規問題でも「最先端を行く」事例が多数起きている、ということではないかと思っております。これは労働問題以外に知的財産権制度など様々な分野でいえることのような気がしていますので、いずれきちんと考えをまとめたいと思います。

コメントありがとうございます。

梶谷さんの説明はなるほどと思いますが、しかしよく考えてみれば、「近代的なものが根づいていないから、かえって現代の最先端が抵抗なく受け入れられている」って言う議論は、一世代か二世代か昔の日本でこそよく言われていた議論のような気がしないでもありません。

かつて(とりわけ欧州諸国に比べて)急激に近代化した日本の知識人によって語られていたと同じようなパラドクスの言辞が攻守所を変えて語られる皮肉をそこはかとなく感じたりもします。

今回は貴重なご報告、ならびにきわめて本質を突いた鋭いコメントをいくつも出してくださり、誠にありがとうございました。おかげさまで実りの多い、印象深いシンポジウムになったと思います。

お二人にご議論いただいている「近代」と「前近代」をめぐるスレ違いについては、具体的労働問題以上に、日中間での社会認識のギャップの存在そのものを如実に物語っていると思うので、これから編纂するシンポジウムの『論文集』、あるいは『報告書』の「序論」で、きちんと整理しておかなければいけないなあ、と思っているところです。

本当にありがとうございました。

こちらこそお世話になりました。

シンポの中身は「論文集」あるいは「報告書」になるのですか。それも楽しみです。

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