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第90回日本産業衛生学会

今月11日~13日に東京ビッグサイトで開かれる第90回日本産業衛生学会の公募シンポジウム「過重労働対策から考える労働時間と休息確保のあり方~わが国の勤務間インタ-バル制度」に出ます。

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Anei

座長の言葉

 某企業の新人女性社員の自殺が昨今話題となっている。有名企業に勤める若い女性が過重労働によって精神的に追い詰められ自死されたということで、より注目されたものと思われる。わが国では、このような過重労働に伴う脳心血管疾患や精神疾患問題が長く議論され、その対策は産業保健分野の重要な課題となってきた。国は2002 年に「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を策定して以来、ガイドラインや安衛法によって過重労働対策を図ってきた。現在、過重労働対策の主たるものは労働時間規制であるが、36 協定による「合法的な残業」やサービス残業など長時間労働はなお残存している。それに加えて、最近の雇用情勢の中で勤務形態、雇用形態など働き方も大きく変化しており、単純な労働時間規制だけでは過重労働対策、疲労対策がうまく機能しない場面も多くなってきている。実際、過重労働による脳・心疾患の年間労災支給件数は、この 10 年間、ほぼ 300 件前後で推移しており、精神疾患の労災支給件数も最近 5 年間は 400 件以上であり、ともに減少する傾向は認められない。2014 年に施行された過労死防止法でも過労死予防対策の充実が求められており、過重労働に対する有効な対策の着想と活動のいっそうの強化が重要と考えられる。

 そのような背景を基にして、現在行われているような負荷・負担対策としての労働時間規制という発想から個人生活・休息時間(疲労回復時間)を確保しつつ疲労対策、特に慢性疲労対策を進めていこうという考え方が生まれてきた。その一つの例が勤務間インターバル制度といえよう。一昨年の第 88 回大会では、産業疲労研究会提案シンポジウムで勤務間インターバル制度の概要について紹介した。今回のシンポジウムにおいては、さらに、勤務間インターバル制度の疲労対策としての有用性について、わが国で実際に導入されている企業での調査や欧州における実例を参考にしながら科学的な洞察をしていきたいと思っている。

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