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2017年4月21日 (金)

『情報労連REPORT』4月号

1704_cover 『情報労連REPORT』4月号は「パワハラをなくそう」が特集です。

http://ictj-report.joho.or.jp/1704/

特集記事は、

あなたの会社にもいるかも!?「クラッシャー上司」への対処法は? 松崎一葉

「ブラック企業」の労働相談から読み解くパワハラ問題の背景にある社会構造とは?今野晴貴

過労死事件の多くで長時間労働とパワハラは同時に起きている 川人博

苦しみを声に出させない「ブラック部活」と「ブラック企業」の共通点 内田良

パワハラ防止措置を法制化する動き 民進党内で石橋みちひろ議員らが推進 石橋みちひろ

職場で人格を傷つけてはいけないパワハラ問題の核心は個人の尊厳の尊重 嶋﨑量

パワハラを発生させない労使コミュニケーションのあり方とは?呉学殊

「マタハラ」は異なる働き方を排除する働き方へのハラスメント 小酒部 さやか

1704_sp05_face 本ブログの読者にとってはおなじみの方々がおなじみの議論を展開しているのですが、その中でちょっと異色なのが、民進党の国会議員である石橋さんの法制化についての記事です。

http://ictj-report.joho.or.jp/1704/sp05.html

どういう法制化を考えているかというと、

現在、事務局で法案骨子を検討している段階ですが、大きな方向性としては、労働安全衛生法(安衛法)を改正して、パワハラを定義し、その防止措置や対策に関して雇用管理上の責務を事業者に課すことを想定しています。

現行の安衛法でも、事業者に対して労働者の心身の健康を守る責務のあることが規定されています。パワハラというのは、まさに心の健康や職業生活上の安心・安全を奪う恐れのある行為であって、結果、働く人を死に追い込んだり、働けない状態に追いやったりする可能性がある深刻なものです。このような観点に立てば、事業者には従業員の健康や安心を守るために、パワハラを防止して、適切な対応を取る責務があると位置付けられます。

とのことです。

そして注目すべきは、社内のパワハラだけではなく、違う企業間のものや顧客からのものも対象に考えていることでしょう。

第一に、同一企業、または事業所内でのパワハラがあります。これは、最低限、対象範囲に含めなければなりません。

しかし、パワハラが発生するのは同一事業所内の人間関係だけではありません。違う企業間でも、例えば親会社の社員から子会社の社員や、発注元から下請けの社員に対するパワハラもあるわけです。実は、民主党政権時代の2012年に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が取りまとめた「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」(図表1)というのがあって、私たちも参考にしているのですが、その中で定義したパワハラには、この企業横断的なものは対象としていません。私たちはこれを第二類型として、検討課題としています。

そしてもう一つは、昨今、問題が大きくなっていますが、消費者や公共サービス等の利用者などから労働者や公務員に対して起きるパワハラです。例えば、モンスターペアレントやモンスターペイシェントなど、教育機関や医療の現場などで度を超した悪質なクレームによる被害が拡大しています。いわゆる「感情労働」問題ですが、これを第三類型として議論の俎上に載せました(図表2)。

具体的な防止措置の内容としては、

まず、国に対して、パワハラ対策として事業主が講ずべき措置に関する指針を策定させます。その上で、事業者に対し、国の指針に基づいた行動計画の策定と、対策を実行するための部署の設置または担当者の任命を求めます。こうしたスキームを通じて、(1)予防的措置(2)問題の早期発見(3)問題発生後の迅速かつ適切な対応策─を講じることを求めます。

適切な措置を取らない事業者に対しては、セクハラやマタハラと同じように、指導・勧告、そして企業名公表などの措置を想定しています。また、紛争解決処理に関しては、個別労働紛争解決促進法に基づくあっせん、その他中立的な第三者機関による紛争処理を想定しています。その他の中立的な第三者機関としたのは、前述した第二類型、第三類型に対応させる必要があるためで、これは今後の議論でさらに検討を深めていきます。

とのことですが、第二類型やとりわけ第三類型になるとなかなか難しそうです。

この「お客様は神様」問題について、石橋さんは、

第三類型はもっと難しいです。というのも、例えば消費者保護法など現行の法体系では、「消費者は弱い立場」なので保護が必要だという前提で作られています。条件付きとはいえ、消費者を加害者と位置付けること自体にハードルが非常に高いのです。ただ、さまざまな産業分野で悪質クレイマーへの対策について要請があるのも事実ですので、何らかの対策を講じることができないか、引き続き慎重に検討していきたいと思います。

と、難しさを認識しつつ、取り組んでいきたいという気持ちを示しています。

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