拙著評いくつか
最近もいくつか拙著への短評がネット上に載りましたのでご紹介。
まず、2009年刊行の『新しい労働社会』ですが、読書メーターでイケダアイさん。
https://bookmeter.com/reviews/63856872
「国際比較の観点」と「歴史的なパースペクティブ」で労働問題をまとめた一大叙事詩。著者の圧倒的な知識量と、どこかウィットに富んだ文章で、内容は決して簡単ではないけれどつい後を引くように読んでしまった。2009年初版だが、話題の同一労働同一賃金についてもかなりの頁が割かれていて、既に答えが書かれている気がする。雇用問題を勉強している人や、会社の労務管理、給与制度の設計に関わる人は絶対に読んでおいたほうがいい。
もう8年前の本ですが、当時よりもむしろいまの議論を先取りしていた本になっていると、本人は思っております。
https://twitter.com/Takechi60439696/status/857249290455982080
濱口氏の"若者と労働「入社」の仕組みから解きほぐす"読了。数時間でさーと読んだが、少ないキーコンセプトを用いてすっきりとした議論がされいた印象。
本書を通して、現代日本のメンバーシップ型正社員から直ちにジョブ型正社員へ移行することは難しい印象を受けた。若年層をジョブ型正社員として採用することは難しくないように思うが、やはり中高年の正社員の処遇をどうするかはもめに揉める…または時間が解決する…後者だろうなぁ。
ドイツの某制度への言及も面白かった。僕は文系大学生への教育には知識が全くないのでコメントできないが、理系大学院生の教育にも関わる。大手企業へのインターンだけでなく、ベンチャー企業へのインターンがもっと盛んになればいいなぁと思ったり。
ブラック企業にも言及されていた。単なる倫理的な観点からの批判ではなかった点が新鮮、というか労働に関する仕組み作りをしている人はこう考えるのかぁ、と思える内容で本当に面白かった。 ネタバレは控えつつの感想…難しいなぁ。とにかくおすすめの本です
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