時間外労働の上限規制
時間外労働の上限規制の議論は時間外にやらなければならない、などというルールはもちろんあるわけはありませんが、1回目の4月7日に引き続き、2回目の昨晩も18:00~19:30という(ヨーロッパなら「アンソーシャル」なと呼ぶであろう)時間帯に行われているようでありまして、この辺に労働時間問題の複雑さが垣間見えている感がなきにしもあらずですが、まあそれはともかく閑話休題、
そこに事務局から「論点について」という紙が出されていて、ほとんど大部分は実行計画の文言とそこから導き出される範囲の「・・・でどうか」という問いかけなのですが、一箇所、少なくとも文理上は必ずしも実行計画だけからは導き出せない項目が入っています。
さらに、休日労働についてもできる限り抑制するよう努めなければならないことを盛り込んではどうか。
これはおそらく、時間外労働の上限で、原則の月45時間、年360時間、特例の年720時間は休日労働抜きの数字であるのに対して、2-6か月平均80時間と単月100時間未満の方は休日労働を含んでいることとの整合性が結構議論になり、休日労働が抜け穴になるんじゃないかとか言われたことが背景にありそうです。
このこと自体は労基法の建て付けの問題なので、そこを作り替えるのでない限り、そうするしかなかったわけですが、そこを努力義務みたいなもので対応してみようということでしょうか。
これは議論していくと、そもそも時間外労働、労基法の言い方で言えば「労働時間の延長」と、休日労働とで、その敷居を超える難しさに差をつけるべきかという問題にもなります。日本の場合、少なくとも法律上は、両者に差はないのですが、そこをどう考えるかというのは、上限設定云々の話とは別にしても議論する値打ちのある問題であることは確かです。
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