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2017年4月 7日 (金)

日本版O-NETの創設

昨日のエントリに、海上周也さんが詳細なコメントをつけていただきましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-2183.html#comments

実は、日本でも再び職業情報システムを構築しようという動きがあります。

先月末に決定された「働き方改革実行計画」の中に、同一労働同一賃金や時間外労働の上限規制のように目立つ形ではないですが、こういう一節が盛り込まれています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai10/siryou1.pdf(25ページ)

( 2)転職・再就職の拡大に向けた職業能力・職場情報の見える化

AI 等の成長分野も含めた様々な仕事の内容、求められる知識・能力・技術、平均年収といった職業情報のあり方について、関係省庁や民間が連携して調査・検討を行い、資格情報等も含めて総合的に提供するサイト(日本版O-NET)を創設する。あわせて、これまでそれぞれ縦割りとなっていた女性活躍推進法に基づく女性が働きやすい企業の職場情報と、若者雇用促進法に基づく若者が働きやすい企業の職場情報を、ワンストップで閲覧できるサイトを創設する。
また、技能検定を雇用吸収力の高い産業分野における職種に拡大するととともに、若者の受検料を減免する。

後ろの方の工程表を見ると、

Onet

2020年度から日本版O-NETを運用開始するという予定のようです。

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コメント

さすがに国もこれは大事なパーツとして確実に布石を打っているのですね。そこでこの「日本版O−Net」ですが、そもそも「職業能力(職場情報)の見える化」という大目的を達成するための手段です。ただ前述の通り、実は今でも似ている物(職業分類)は存在します。加えて、10年以上前から中央職業能力開発協会(JAVADA)さんも似たような「職業能力評価基準」という名の業種別スキルスタンダードの構築(能力の見える化。「日本版NVQ」を目指したもの)を粛々と進めてきました。

私の懸念は、国が良かれと思って(来たるべき時に備えて)このような外部労働市場インフラの整備をコツコツと進めていても、受益者となるはずの企業も労働者もあまりというか殆ど関心を持っていないかのように見えてしまうことです。それが何かよくわかりませんが何かあと「ひと押し」がないと、汎用性のある個人のエンプロイアビリティ(雇われる力)の必要性に対する国民的な関心あるいは危機感が育っていかない気がしています。

投稿: 海上周也 | 2017年4月 7日 (金) 18時45分

追記)都内の工科大学で機械工学を学んでいる息子が先日、超短期でフィリピン大学に研修留学に行き、向こうの学生と今もSNSで繋がっているようなのですが、今朝ほど私に「向こうの学生がよくアプレンティスシップ(徒弟制⁉︎)とインターンという言葉を使っているのだけど、インターンはわかるとして、前者の意味がわからない。」と興味深い質問を投げかけてきました。そうか、日本と違っていわゆる「就活」がない国では、アカデミックな大学卒業という資格は必ずしもある一定の職業資格を獲得したこと(つまりは就職)には直結せず、それゆえ実務経験(インターン)や職業訓練によるクォリフィケーションの取得(アプレンティスシップ)が学生の関心の話題にのぼるのだなぁと実感。そこで彼には「きっとそれはいわゆる職人の世界での昔からある徒弟制ではなく、英国やEUで広く制度化されている職業訓練とその資格制度のことだと思うよ。フィリピンでも同様にあるのかもね。誰しも学生の関心事は卒業後の就職だろうから、まずインターンで実務経験を積んで、その上でそれを公に証明できる職業資格を取得していかないと、いわゆる新卒という資格だけでは簡単にはジョブに就けないのかもね〜」とさらっと説明しておきました。学生が使う言葉一つから、改めて社会システムの違いによる学生の意識の差を考えさせられましたね…。

投稿: 海上周也 | 2017年5月 5日 (金) 12時45分

エンプロイアビリティに関する働く側の意識改革について〜当エントリ最初の拙コメント最後に記した「何かあとひと押しがないと…」の『あとひと押し』の正体が何なのか最近ずっと考えていました…。思うに、きっとそれは「テクノロジーの進歩によって人間の業務が代替される」「AIの導入で自分の仕事も将来なくなるかもしれない…」という、自らの実存を根底から揺るがしうる「危機意識」なのかもしれません。

厚労省が昨日掲載した「IoT. Big Data. AI 等が雇用/労働に与える影響に関する研究会」(佐藤博樹座長、大内伸哉委員 他)のレポートを読むと、改めて現在40歳前後(団塊ジュニア)のボリューム層への影響が大きいことがわかります。ただその一方で、スキルの再教育など今から必要な対策をきちんと打てば人間の仕事は簡単には奪われないという明るい希望も示されています。

すでに活発な会社グループ内部の人事異動(内部労働市場)と、これから活性化するであろう外部労働市場…。この2つのバランスのとれた労働市場の存在〜両者の緊張関係〜こそが強靭な日本の雇用社会を築いていくと信じています。

投稿: 海上周也 | 2017年6月 7日 (水) 06時10分

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