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中窪裕也・野田進『労働法の世界〔第12版〕』

L14499中窪裕也・野田進『労働法の世界〔第12版〕』(有斐閣)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144996

1994年の初版以来、ほぼ2年おきに改訂し続けて12版に至るという労働法学界の偉業の一つです。

日々変化する「労働法の世界」の実像に迫る教科書。労働法の基本構造の転換と発展のダイナミズムを,最新の法状況や判例・学説の展開にも目配りし,確かな座標軸をもって描き出す。多彩なコラムも必読。時を重ね,世紀を超えて進化・発展をつづける,ロングセラー。

ですが、毎回少しづつ入れ替わるコラムも楽しみの一つです。前回は募集・採用の章の「ブラック企業」というコラムを紹介しましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-060e.html

今回は労働法のアクターの章の「法学部生にとってのブラックバイト」を紹介します。

前半はブラックバイトユニオンなどを引いていろいろと実態を述べていますが、その後におもむろにこう語りかけます。

・・・しかし、労働法を学んだ法学部生は、こうした状況に直面しても、決して途方に暮れたり泣き寝入りしたりすることはないはずである。上記の代表例でも、①と②は、一方的な労働条件の変更や辞職の自由の問題だし、③~⑤の問題は労働時間に関する紛争の典型例だし、⑥と⑦は賃金の支払規制に関わるし、⑧はパワハラの問題と言える。これらの問題について、労働法を学んだ法学部生は、適用スベキ法規範と判例をしっかり習得しているはずである。そして、これらの問題に適切に対処するために、ADR等の種々の解決システムがあることも勉強している。全て本書に書いてある。

「知ることは力である。」法学部生なら、バイト先のブラックな要求にひるんだり、詭弁に誤魔化されたりすることなく、堂々と法的主張を展開して欲しい。

「はずである」と言葉がぐさぐさと刺さる法学部生も一杯いるかも知れませんが・・・。

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