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2017年3月 1日 (水)

国際自動車事件最高裁逆転判決?

本日(いや正確にはもう昨日)、最高裁判所が例の国際自動車(残業代)事件で、高裁判決を破棄差し戻ししたようです。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/544/086544_hanrei.pdf

(1)ア 労働基準法37条は,時間外,休日及び深夜の割増賃金の支払義務を定めているところ,割増賃金の算定方法は,同条並びに政令及び厚生労働省令(以下,これらの規定を「労働基準法37条等」という。)に具体的に定められている。もっとも,同条は,労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり,使用者に対し,労働契約における割増賃金の定めを労働基準法37条等に定められた算定方法と同一のものとし,これに基づいて割増賃金を支払うことを義務付けるものとは解されない。

そして、高知県観光事件とテックジャパン事件の最高裁判決を引いて、「労働契約における賃金の定めにつき,それが通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とに判別することができるか否かを検討した上で,そのような判別をすることができる場合に,割増賃金として支払われた金額が,通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として,労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討すべき」としつつ、

他方において,労働基準法37条は,労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていないことに鑑みると,労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に,当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの,当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し,無効であると解することはできないというべきである。

と述べて、原審の判断を「割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った結果,上記の点について審理を尽くさなかった違法があるといわざるを得ない」と否定しました。

これから法律学者や弁護士がいっぱい論評すると思いますが、とりあえず、高裁のこの仕組み自体がおかしいという議論を否定し、その仕組みによって結果として支払われた金額が法律の最低限をクリアしているかどうかをよく調べろ、とつきかえしたということのようです。

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