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2017年3月14日 (火)

『野口敞也オーラル・ヒストリー』

南雲智映さんより、労働関係オーラルシリーズの『野口敞也オーラル・ヒストリー』をお送りいただきました。ありがとうございます。

えー、野口さんとは、野口さんが連合総研の専務理事だった頃に、いくつかの研究会に関わっていたので、結構顔見知りだったりします。

というか、そもそも南雲さん自身がその頃連合総研の研究員だったわけですが。

もちろん本書の眼目は、ゼンセン同盟時代の野口さんの活動です。オーラルでゼンセンというと、本ブログで何回も紹介してきた二宮誠さんが有名ですが、二宮さんや逢見さんのようなはじめからゼンセンプロパー組に対して、野口さんは高木さんなどと同じく、いったん企業に就職し(野口さんは帝人)、そこの企業別組合で労働組合活動をはじめ、そこからゼンセン本部に移ってプロパーになっていった人です。

ゼンセンに移ったのは昭和53年ですが、ゼンセンの「セン」の元である繊維産業関係を担当されたと言うことで、今やゼンセンというと本田さんの本のようにどうしても流通サービスという印象ですが、繊維という戦後日本における一産業の大転換を労働側から円滑に進めたというのは、戦後史の中で目だないけれども重要なポイントであったはずだと思います。

あと、野口さんは連合副事務局長時代、小泉内閣時に労働側が追い出される前の規制改革会議で、ただ一人の労働側代表として、結構規制緩和の推進に力を入れていた方でもあります。その時のエピソードで、結構じわじわくるものを。港湾事業の規制改革で、全港湾に説得に行ったときのこと。

野口 それが終わりまして、夜、懇親会に呼んでくれました。しばらく飲んでいましたらその会長から「ところで野口さん、おまえさんはあったかいのがいいかね、冷たいのがいいかね」と言われました。ちょっと考えましたね。どういうことかはわかりましたが。「両方いやですなあ。どちらかというと、あったかいほうがいいですかな」と言ったのです。「わかるのか」というから、「私は上州の生まれでござんす。その血は引いております。わかります」と言ったら、「うん」といって、それからしっかり飲ませてくれたのです。何か分かりますか。もう相当飲んでいるときですから、会長の話は、熱燗がいいか、冷や酒がいいかという話ではないのです。あったかいのというのはピストルです。冷たいのというのはナイフですよね。お前はどっちがいいかという。

南雲 また物騒な。

野口 その前から、「お前みたいな奴は東京湾へ連れて行って、ガントリークレーンの30メートルもある奴から海へ放り込んでやりたいなあ」なんていう、そんな話をやっていたわけですけれども、そういう中で出てきた話でした。・・・

何とも物騒な話です。

さて、野口さんは上州は高崎の生まれなのですが、この本の冒頭に、びっくりするような情報が書いてありました。なんと野口敞也さんのお父さんは野口三千三(みちぞう)といって、野口体操の創始者だったんですね。

256329え?何それ?という人もいるかも知れませんが、その筋では結構有名な人です。

https://www.iwanami.co.jp/book/b256329.html(野口三千三『原初生命体としての人間 野口体操の理論』)

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