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常見陽平『なぜ、残業はなくならないのか』

51djj5ccrfl__sx311_bo1204203200_常見陽平さんの新著『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)をお送りいただきました。乙もありがとうございます。

これが、残業大国・日本の正体だ!

2016年9月に労災認定された「電通過労自死事件」。この事件により、長時間労働の是正に関して、世論が動いたことはまちがいない。これは電通だけではなく、日本の企業全体の問題だからである。
とくに、所定外時間労働のひとつである「残業」には、わが国の労働社会の問題が凝縮されている。「残業」は憎 らしいほど合理的だ。そもそもが、日本の労働現場は残業しなければならないように設計されているのだ。
  本書では、この問題にいかに立ち向かうべきかを深く掘り下げて議論し、政府が進める「働き方改革」についても、その矛盾を鋭く指摘する。
すべての働く日本人に、気付きを与える一冊。

というわけで、中身は次の通りですが、

はじめに---合理的な残業にどう立ち向かうのか
第1章・日本人は、どれくらい残業しているのか?
第2章・なぜ、残業は発生するのか?
第3章・私と残業
第4章・電通過労自死事件とは何だったのか?
第5章・「働き方改革」の虚実
第6章・働きすぎ社会の処方箋
おわりに

なんと言っても読みどころは第3章の「私と残業」でしょう。あのリクルートに入社し、まさにモウレツ社員として超残業をくぐり抜けてきた常見さんだからこそ語れるリアルな体験記です。

はじめにの最後に「※なお、この本は2017年3月1日現在の情報をもとに書かれている。」とお断りがされていますが、その後先週まとめられた時間外労働の上限設定の話に対しても、本書の議論がそのまま通用するでしょう。

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コメント

先日の発達障害の方の残業の話もありましたが、残業(代)がないと今後の生活がなりたたない人が決して少なくないという、まったくもって複雑怪奇なシステムですね。
もしかしたらまた本物の焼け野原を見る運命なのかと最近真剣に考えこんでしまいます。

投稿: アウグスト | 2017年3月27日 (月) 18時13分

コメントを読ませていただき禁を破ってでもとの思いからコメントをお送りいたします。

アウグスト様のご懸念とご指摘同様、大学生も多くが奨学金という名の金融ローンを抱えて社会へ飛び出します。私学だけではなく今や国公立も同様なのです。
学生によっては主はバイト、従が学業という過酷な現実を抱え日々過ごしております。
私の場合は専門職を育成、輩出する関係で本物の「売り手市場」ではありますが、それは希望する将来を約束するものではありません。
ましてや一般大学生がブラック企業就職となれば、所得保障の前に、初社会人には酷な人間の尊厳を傷つけられ、メンタルヘルスなどの通り一般の社会制度などがあっても手遅れで今の医療では対処不能です。いわんやその母体である社会からも放り出され、傷つき、その先は自らより弱者への…これが今の日本ですね。
とある日に「毎月の残業代とともに、ボーナス(一時金)もわたしにとっては日々の生活に相当させる生活給でしかないんです」と語られたptを忘れることはできない私です。
アウグスト様の最後の言葉に、”もしかしたらまた本物の焼け野…”には、頭隠して尻隠さずな日本社会の”もしかしたらまた…”を重ねて読ませていただきました。
国試を突破した連中の幸と社会の重責を担ってくれる覚悟を祈りたいと筆を執りました。

投稿: kohchan | 2017年3月28日 (火) 07時46分

・残業することのインセンティブ
→給与上昇、「がんばってる」「頼むとやってくれる」評価上昇
・残業しないことによるマイナス
→給与減少、「あいつだけ帰る、協調性がない」「仕事を頼もうとしても断られる」評価減少
加えて、
・マスコミの皆さんは長時間労働していて、「9時から5時まで」の人を冷ややかに見ている(「お役所仕事」なんて典型的な言い方)

安倍首相はがんばってると思う。八代先生の思考プロセスは謎だが。

投稿: ちょ | 2017年3月28日 (火) 13時14分

各位
書評は実物読んでからにしましょう。
書評のコメントもできれば、、、、、

私?本は購入したのでこれから読みます。

投稿: Dursan | 2017年4月 8日 (土) 07時13分

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