フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 気がつけばいつの間にかインターバル規制が努力義務 | トップページ | 『海外健康生活Q&A』 »

2017年3月15日 (水)

宗教的冠り物禁止は宗教信条差別に非ず@欧州司法裁

Img_70e05df587c486f5cdcd02238424e5cさて、本日オランダで反イスラムの極右政党が政権を取るかも知れないと世界が固唾を呑んでいた昨日、欧州連合司法裁判所が注目すべき判決を下しました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121380(企業に宗教や思想信条示す服装禁止を認める判断、欧州司法裁)

【3月14日 AFP】欧州司法裁判所(European Court of Justice)は14日、欧州連合(EU)加盟国の企業が従業員に対し、ヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭部を覆うスカーフ)など自身の宗教や政治などに関する思想信条を表すものの着用を禁止することは可能だとの判断を示した。企業が社内規定で「政治的、哲学的、または宗教的信条を表すもの」を身に着けることを禁止しても「直接的な差別」には当たらないと裁定した。

 欧州司法裁が裁定を下したのは、ベルギーの大手民間警備会社G4Sで受付として働いていたイスラム教徒、サミラ・アクビタ(Samira Achbita)さんの2003年の事案。アクビタさんは業務中にイスラム教徒用のスカーフを着用したいと主張したが認められず、その後、社規で着用禁止とされ、自分は解雇されたと訴えていた。

ではさっそく、欧州連合司法裁判所のサイトで当該判決を確認しておきましょう。

http://curia.europa.eu/juris/document/document.jsf?text=&docid=188852&pageIndex=0&doclang=EN&mode=lst&dir=&occ=first&part=1&cid=218488

2000年の一般雇用均等指令に関わる判決ですが、企業が社内規定で「政治的、哲学的、または宗教的信条を表すもの」を身に着けることを禁止しても「直接的な差別」には当たらないと判断したようです。

判決の当該部分は以下の通り。

Article 2(2)(a) of Council Directive 2000/78/EC of 27 November 2000 establishing a general framework for equal treatment in employment and occupation must be interpreted as meaning that the prohibition on wearing an Islamic headscarf, which arises from an internal rule of a private undertaking prohibiting the visible wearing of any political, philosophical or religious sign in the workplace, does not constitute direct discrimination based on religion or belief within the meaning of that directive.

By contrast, such an internal rule of a private undertaking may constitute indirect discrimination within the meaning of Article 2(2)(b) of Directive 2000/78 if it is established that the apparently neutral obligation it imposes results, in fact, in persons adhering to a particular religion or belief being put at a particular disadvantage, unless it is objectively justified by a legitimate aim, such as the pursuit by the employer, in its relations with its customers, of a policy of political, philosophical and religious neutrality, and the means of achieving that aim are appropriate and necessary, which it is for the referring court to ascertain.

雇用職業における均等待遇の一般的枠組を設定する指令の第2条第2項(a)号は、職場においていかなる政治的、哲学的または宗教的な徴をも目に見える形で着用することを禁止する民間企業の社内規定から生ずるところの、イスラム的な冠り物を着用することの禁止は、同指令の意味する宗教または信条に基づく直接差別には該当しないことを意味すると解釈されるべきである。

これとは対照的に、かかる民間企業の社内規定の一見したところ中立的な規定が実際には特定の宗教または信条を保持する人に特定の不利益を与える場合、それがその顧客との関係において使用者が政治的、哲学的または宗教的中立性を追求するといったような合法的な目的により客観的に正当化され、当該目的を達成する手段が適切かつ必要な範囲でない限り、同指令第2条第2項(a)号の意味における間接差別に該当するが、それを判断するのは国内裁判所だよ。

« 気がつけばいつの間にかインターバル規制が努力義務 | トップページ | 『海外健康生活Q&A』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 宗教的冠り物禁止は宗教信条差別に非ず@欧州司法裁:

« 気がつけばいつの間にかインターバル規制が努力義務 | トップページ | 『海外健康生活Q&A』 »