外国人材の活用について
昨日、官邸で働き方改革実現会議が開かれ、例の長時間労働の上限について労使間で合意したのしないのという報道があるようですが、それよりも注目すべきは、厳密には「働き方改革」じゃないのではないかという気がするんですがなぜか入っている「外国人の活用」について、議論されたらしいことです。
新たなトピックを打ち出すときにはいつも斬り込み役的な役目を果たしている高橋進さんが提出した資料を見ると、
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai8/siryou3.pdf
「今後とも構造的に人手不足が見込まれる分野(建設、製造、農業、医療・介護、家事支援、IT 等)では、場当たり的でない、新たな枠組みの下での外国人活用を視野に入れるべき」と述べた上で、こういう構想を提示しています。
・新たな枠組みとして、一般労働者(非高度・非専門人材)を含め、以下のような雇用許可制度を導入してはどうか。
労働市場テスト(国内求人努力)を行い、労働者を確保できない企業に対して外国人雇用を許可。
政府は外国政府との間に二国間協定を締結し、割り当て数、対象業種等を決定、ビザを発給する。滞在期間は、例えば3年とし、一定の条件下で再入国可能。
入国後、就業教育を経て企業に配置。転職には一定の制限。
一般労働者から、高度・専門人材、熟練労働者への転換、それによる長期滞在、永住を可能とする。
これは韓国型の雇用許可制ですね。
これに対しては、水町さんが
外国人材の受入れ・活用については、韓国など諸外国でとられているような方法も視野に入れつつ、中長期的な視点から、日本の労働市場の健全な発展(日本人の技能形成・雇用確保等)と外国人材の積極的な活用との両立を可能とする制度のあり方を検討することが必要ではないか。
樋口さんが
未熟練の外国人労働者の受け入れについては、一時的なニーズの問題だけで即断すべきではない。日本人の雇用への影響や社会的コストも十分勘案すべき。韓国では二国間協定に基づく外国人労働者のコントロール制度を入れている。自分もヒアリングしたが、いろいろと問題を感じている。現在の技能実習制度に問題があることは十分承知しているが、さりとて直ちにこれがベストという具体案を持ち合わせていない。
と、そう簡単にこうと言えない悩ましさを示しています。
私は立ち入りませんが、最近(拙著のオビの文句を書いていただいた)上野千鶴子さんの移民問題に関するエッセイが炎上したとかしないとかという話もあり、この問題はポリティカリーにセンシティブなんですね。
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