フォト
2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 坂本治也編『市民社会論 』 | トップページ | 労働者階級と知的文化的左翼の永すぎた春の終焉 »

2017年2月10日 (金)

佐藤博樹/武石恵美子編『ダイバーシティ経営と人材活用』

9784130511407_2佐藤博樹/武石恵美子編『ダイバーシティ経営と人材活用 多様な働き方を支援する企業の取り組み』(東京大学出版会)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-051140-7.html

多様な人材が活躍できる職場環境の構築が,企業に求められている.本書は,仕事と育児・介護の両立や,女性の活躍の場の拡大といった枠組みに加えて,従業員のキャリア形成のための転勤政策のあり方や,仕事と病気療養の両立支援をめざす企業の取り組みを提示する.

というわけで、多様な働き方に関わるいろんなトピックが取り上げられていますが、やはり今日的には、転勤にかかる問題を取り上げた第1章から第3章が注目でしょう。

日本型正社員の無限定性のうち、長時間労働については今まさに官邸の働き方改革推進会議で上限設定の方針が打ち出されるというところにきていますが、もう一つの空間的無限定性にかかわる転勤問題についても、ようやく厚労省に「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会というのが設置されて議論が始まったところで、

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000148353.html

まさにここで議論されている佐藤博樹、武石恵美子といった方々が本書のメインライターでもあります。

序章 ダイバーシティ経営と人材活用――働き方と人事管理システムの改革(佐藤博樹)

I 新しい課題としての転勤問題
第1章 ダイバーシティ推進と転勤政策の課題――社員の納得性を高めるために(武石恵美子)
第2章 転勤が総合職の能力開発に与える効果――育成効果のある転勤のあり方(松原光代)
第3章 転勤と人事管理――「変革の必要性」と「変革の波及性」(今野浩一郎)

II 女性活躍支援の課題――両立支援から活躍支援へ
第4章 企業における女性活躍推進の変遷――3つの時代の教訓を次につなげる(松浦民恵)
第5章 男女若手正社員の昇進意欲――持続と変化(高村 静)
第6章 短時間勤務制度利用者のキャリア形成――効果的な制度活用のあり方を考える(武石恵美子・松原光代)
第7章 女性が役員になるための成長の要因――女性役員の「一皮むける」経験の分析(石原直子)

III 働き方改革――――ワーク・ライフ・バランス管理職と男性の子育て参画
第8章 ワーク・ライフ・バランス管理職と組織の支援――変化する管理職(高村 静)
第9章 ワーク・ライフ・バランス管理職の育成――研修方法とその効果(高畑祐三子)

IV 仕事と介護・療養との両立
第10章 仕事と介護における「両立のかたち」――企業に求められる支援(矢島洋子)
第11章 従業員への介護情報提供と就業継続意識――――「介入」による実証実験(佐藤博樹・松浦民恵・池田心豪)
第12章 長期在宅介護に対応した仕事と介護の両立支援――介護離職を防ぐ労働時間管理と健康管理(池田心豪)
第13章 ケアマネジャーによる仕事と介護の両立支援――両立支援ケアマネジャーの育成が課題に(松浦民恵・武石恵美子・朝井友紀子)
第14章 仕事とがん治療の両立――新たなWLB支援課題としての視点から(矢島洋子)

書かれているのはだいたいこのテーマではおなじみの方々ですが、若干異色なのは、より大御所の今野浩一郎さんが書かれている第3章です。74ページから75ページに書けての図は、じっくり見るととても味わい深い図になっていて、いろいろと面白いです。

« 坂本治也編『市民社会論 』 | トップページ | 労働者階級と知的文化的左翼の永すぎた春の終焉 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 佐藤博樹/武石恵美子編『ダイバーシティ経営と人材活用』:

« 坂本治也編『市民社会論 』 | トップページ | 労働者階級と知的文化的左翼の永すぎた春の終焉 »