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2017年1月18日 (水)

経労委報告2017

411sllhiybl__sx352_bo1204203200_経団連から『2017年版経営労働政策特別委員会報告』が発表されました。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/002.html

例によって、リンク先には目次しかなく、中身は買わないと読めません。

世間の関心はなんといっても第3章の「2017年春季労使交渉・協議に対する経営側の基本姿勢」でしょうが、こちらにはいろんな方が突っ込むと思うので、ここではそれ以外のところについて。

今年の経労委報告でなんといっても目を引くのは、第1章が「企業の成長につながる働き方・休み方改革」で、しかもその冒頭トップバッターとして、「経営トップのリーダーシップによる長時間労働是正」が掲げられていることでしょう。

あんまり引用すると販売妨害になりかねないのですが、とにかく冒頭のパラグラフが、

我が国ではこれまで、長時間労働を前提とした業務分担や働き方が当たり前のように行われ、残業の多い社員を評価する風潮さえあった。しかし、ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向の高まりなど、就労ニーズが大きく変化していることに加え、・・・長時間労働を前提とした慣行の変革は待ったなしの状況にある。・・・

と、強く言いきっているのは、これはこれとして評価すべきでありましょう。

ただ、とはいえ、第2章の「雇用・労働における政策的な課題」の冒頭の「労働時間制度改革の推進」では、長時間労働を是正しなければいけないとはいうものの、そう簡単に規制強化されても困りますという本音もちゃんと出ていて、経営団体としての立場の難しさがよくわかります。

・・・現在の36協定(特別条項付含む)は、実質的には無制限に残業ができる枠組となっており、そのあり方を検討する必要がある。

といいつつ、

ただし、見直しに当たっては、労働者保護を念頭に置きながら、顧客や消費者からの突発的な要望に対応するために長時間労働となっている業種が多いほか、・・・など十分に実態を踏まえることが欠かせない。

と釘を刺していますし、とりわけインターバル規制には警戒的で、

・・・欧州では11時間のインターバル規制が導入されているが、小ロット・短納期、急な仕様変更への対応など、商慣行やサービスのあり方が日本と大きく異なるため、我が国での義務化は現実的でない。

と、火消しにやっきです。

ここで言っていることは現実論としてはその通りなのですが、そういう商慣行やサービスのあり方を前提にし続けていると、第1章の冒頭で言っているようにいくら一企業内だけで「経営トップのリーダーシップによる長時間労働是正」を試みても、「そうはいってもお客様が・・・」でなかなか進まないと云う事になりかねません。

ここのところこそ、一企業レベルではいかんともし難いことだからこそ、経団連がそういう商慣行やサービスのあり方を全社会的に見直していこうと言える分野でもあるように思います。

まあ、経団連が「お客様は神様をやめよう」なんていいだすと、なに言ってんだと炎上したりするかも知れませんが。

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