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2016年12月19日 (月)

藤田孝典『続・下流老人』

18665 藤田孝典さんの新著『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新書)をお送りいただきました。

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18665

「年収400万でも将来、下流に 」──半年で20万部を突破し、流行語にもなった『下流老人』は、一般に金持ちと思われていた高齢者の貧困を発見した。続く本書では、ますます深刻化する現状を辿りつつ、自分が下流化しないための解決策を提示する。

昨年6月に出た『下流老人』は「一億総老後崩壊の衝撃」という副題でしたが、今回は「一億総疲弊社会の到来」です。右のオビに示されているように、「死ぬ直前まで働く社会が始まる」とか「下流老人は過労で死ぬ」などというあおり文句が前面に出ており、老人が働かなければいけないということを最大の問題だと訴えているかのように見えます。

しかし、そこに焦点を絞ることは、最後の方で出てくる財源論や救済型ではなく共存型の再分配という発想と整合性がないのではないかと感じるところがありました。

お金を配るのではなく、リスクに対応する現物給付を充実させようというのであれば、老人なんだからどんなに高齢社会になっても働かないのが当たり前だという発想に簡単に安住できないのではないかと思われます。

もっとも、本の中ではそういう匂いは余り感じなかったので、このかなりえげつないオビの文句は、むしろそういう発想に親和的な読者を誘いたいという出版社側の発想なのかも知れませんね。

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コメント

>出版社側の発想なのかも知れませんね。

いえ、著者自体がそういう発想ですよ。
ご高齢者を65で引退させて社会保障で養い、若者も壮年も女性も子どもも障害者も労働者も普遍的に保護し、かつ財源は累進課税と法人税で搾取しようというのが彼の妄想。

ようするに、無責任な大きな政府推進者の一人。

ネット右翼のリフレ馬鹿を左反転させたようなもの(というか、こっちが元祖かw

個人的には「国民が働ける限りの年齢まで働く日本社会」は受容しないといけないとは思っています。社会保障費の面からも、歳入の面からも。
ただし、「これから就業する未就業者の就職機会を奪わない」のが前提条件ですが。
幸い、需要は戻ってきてますのでこの調子が続けばよいのですが、、、

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