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2016年12月12日 (月)

コーカン教授のアメリカ社会論

JILPTのサイトに、著名な労使関係学者であるコーカン教授(私はずっと「コーチャン」だと思ってきましたが、「コーカン」の方が正しいようです)の「大統領選挙と新たな「社会契約」の必要性」という文章が載っています。

ここ数週間本ブログでも折に触れ取り上げてきた問題に対し、鋭い分析を加え、今後の展望を示していて大変有用なのでご紹介しておきます。訳者の山崎憲さんによる解説付きです。

http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2016/12/usa_01.html

11月に行われた大統領選挙は、交差する2本の大きな断層の存在を顕在化させました。この断裂を放置すれば、アメリカの歴史上前例のない社会的・経済的な大変動の時代を生み出す可能性があります。

第一に、断層は、人種、民族、ジェンダーの間に存在する深い分裂状態を明らかにしました。昨年来のイスラム教徒へのヘイトクライム(憎悪犯罪)の急増がその一つです。問題の解決のためには、いまも引き続き広がりつつある断層を修復するための不断の努力が必要です。そのためには、強力なリーダーシップと互いの困りごとにすすんで耳を傾けることが不可欠です。

第二に、断層は、不均衡をもたらす経済システムのなかで、取り残されていると感じ、自分の子供たちの生活水準が自分たちよりも下がることを恐れている人々の根深い失望と怒りとなって私たちの目の前にその姿をあらわすことになりました。

本稿の中心的なテーマは、こうした断裂を修復するための手がかりを示すことにあります。そのカギは、社会のあらゆるセクターの人々が協力して、質の高い雇用を生み出すとともに、すべての人々の賃金を再び増加させることにあるのです。つまり、お互いがお互いを思いやる相互尊重に基づく新たな「社会契約(Social Contract)」を今日の労働者の実状と経済のニーズに合わせたかたちで、再構築しなければならないのです。・・・・

・・・・・・実業界も労働界も教育界などの組織とその組織を構成する私たちはみな、何よりも、地域での現状改革運動、抗議運動、そして革新的な運動を促進する活動を鼓舞するように促し続けていくべきなのです。そして、そうすることこそが、やがてはワシントンの指導者たちに耳を傾けさせ、新たな「社会契約」の構築に向けた役割を果たさせるために必要なのだということを、歴史が教えてくれています。

引用は冒頭と最後の処だけですので、是非リンク先に飛んで、全文を読んでみて下さい。

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コメント

読みました。面白かったと言いますか、ビックリしました。
社会の大規模な変動に対してとても柔軟であること、そう思うと日本はどこかで変化=悪と捉えている節があるかなと。あとは、底抜けの前向きさですかね。良質の雇用を互いに協力して産み出す、みたいな、なんかお互いに切磋琢磨して良い社会作ろうぜ!みたいに聞こえて、うっかりこっちまでその気になってしまいました(笑)。
さて、明日も頑張ろう❗(笑)。

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