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2016年12月19日 (月)

矢野眞和・濱中淳子・小川和孝『教育劣位社会』

266523矢野眞和・濱中淳子・小川和孝『教育劣位社会 教育費をめぐる世論の社会学』(岩波書店)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.iwanami.co.jp/book/b266523.html

グローバリゼーションの時代,国と個人の未来を握るインフラである「教育」がますます重要性を増す一方,日本では公的支援が少なく,親負担主義が根強いのはなぜか.その答えに,税と社会保障の視点を含めた「世論」という新しい切り口から迫る,画期的な社会調査の分析と提言の書.

矢野さんや濱中さんの本は本ブログでも何回か紹介してきたところですが、本書は、そもそも何で日本では高等教育にお金を使おうという方向に政策が行かないのか、それは国民の気持ちがそんなもの大して意味ねえ、と思っているからじゃないのか、というあたりを、データで実証したものです。

「あなたは、さらに多くの税金が課せられることになったとしても、次の施策を積極的に進める必要があると思いますか。それとも、税金が増えるくらいなら積極的に進めなくてもいいと思いますか」という問いでいくつもの政策について聞いたところ、「医療・介護」分野は安定的に7割以上の者が税金を投入しても良いと答え、「年金」も比較的高いのに対し、「雇用」になると5-6割とかなり低くなり、それ以上に軽んじられているのが「教育」。

ところがそれも、義務教育の充実は6割以上なのに、上に行くに従って低くなり、「借金なしの大学進学機会の確保」や「社会人再教育の場の整備」は2-3割程度にまで落ちるという結果です。

こういう姿を本書は「教育劣位社会」と呼ぶわけですが、その背景にあるのが矢野さんの言う親負担主義であることも見易い道理です。

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コメント

>「あなたは、さらに多くの税金が課せられることになったとしても、次の施策を積極的に進める必要があると思いますか。それとも、税金が増えるくらいなら積極的に進めなくてもいいと思いますか」


ほとんど意味のない質問で、
税金の種類や教育費公費負担の範囲をどうするかで如何様にも回答が変わり得る話。

例えば、中流以上の家庭に問えば、「財源は消費税で・公費の範囲は普遍的で」と言うだろうし、貧困層に問えば、「財源は所得税(or法人税or資産税、とにかく貧乏人に縁が無いもの)で、公費の範囲は貧困者限定で」と言うかもしれない。

「世論」の支持をえたければ、世論を構成する個人の利益になることをすりゃあいい。

自分に損にしかならずに、他人が税金で食ってるオマンマに唾を掛けたいと思うのは当然やで。

それが不満なら、非貧困層の民衆やさらには富裕層まで含めて利益になる話を持ってこいやwww

がっつり重税を課せられた身からすれば、俺の税金でホクホクしてる奴らは不幸になれと思う。

利害調整言うなら、こういう俗的な欲望に配慮すべきだろ。

貧困援助界隈でも、「純粋無垢な被害者である経済弱者を救ってください!」では無理があると気づく者が増えている。

>がっつり重税を課せられた身からすれば、俺の税金でホクホクしてる奴らは不幸になれと思う。

 こんなやつの身勝手を聞く必要はない。

>こんなやつの身勝手を聞く必要はない。


こういう奴に限って消費税には発狂して財務省を罵るwww

自覚していないようだから教えてあげるけど、消費税反対論者は実質経済極右だからね。

それに比較したら、消費税賛成で、消費税増税しないなら弱者死ねとハッキリ申してあげている俺のほうが弱者に優しい(笑

むしろ弱者の味方ツラして、財務省叩くことで現状維持(高齢化しているので、実は財政窮乏化)しようとしている輩が最悪。

俺なんて弱者死ねって言って良心と闘いながらそれでも自分の利益を重視しているわけだけど、消費税反対のバカってのは自分の良心を消費することなしに善人のフリして自慰してやがる。卑怯ですよ。

実際消費税を導入して景気ががっくり折れたのは(最近持ち直してきてるけど)無視ですかそうですか。
わざとかうっかりか予測の弾力性を低く見積もった財務省の予測ミスでしょ?

欧米ですら、大学教育が果たして投資に見合う、単なるシグナリング効果以上の価値があるのか議論があるところ、日本の大学の半分は、控えめに言ってもアカデミアのポスト確保のため以上の存在意義はなく、税金投入する価値なんて全くないってことを有権者はよく分かっているのでしょう。

>それに比較したら、消費税賛成で、消費税増税しないなら弱者死ねとハッキリ申してあげている俺のほうが弱者に優しい(笑

 全く当りません。
 消費税の増税で国内消費は落ち込み、弱者は増税と経済落ち込みの二重苦にさらされています。

>俺なんて弱者死ねって言って良心と闘いながらそれでも自分の利益を重視しているわけだけど、消費税反対のバカってのは自分の良心を消費することなしに善人のフリして自慰してやがる。卑怯ですよ。

 私は消費税の税率引上げ断固反対ですが、卑怯だとは全く思っていません。

 松尾匡先生の諸著作を読んで勉強して下さい。

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