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2016年12月10日 (土)

『DIO』321号

Dio 連合総研の機関誌『DIO』321号は、「 「loTやAIが描く社会」私たちの働き方・生活はどう変わる?」と、今現在の関心事を取り上げていますが、

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio321.pdf

働き方の未来像~労働環境の変化と今後の労働組合のあり方~柳川 範之 ……………………4

人工知能論の世界と実際の仕事 中沢 孝夫 ……………………8

技術革新(第4次産業革命)と働き方の未来 宮原 千枝 ……………………12

この3人のうち、柳川さんと中沢さんのスタンスが対照的なんですが、どちらもやや違和感があるというか、先に結論ありきな感じがして、ちょっと違うんでないの?という感を拭えないものが。

正直言って情報労連の宮原さんのいささか地味な感じの文章が一番ぴたっときました。

前に本ブログで、欧州の労働組合に比べて日本の労働組合はこの手の問題に対する感度が鈍いのではみたいなことを書いたこともありますが、さすがに情報労連は問題意識があるようです。

Digi697x370 この関係で、日本の組合関係者に見ておいて欲しいのが、UNIEurope(欧州サービス労連)が先週12月5日に公表した「欧州のクラウドワーク」という報告書です。

http://www.uni-europa.org/2016/12/05/crowd-work-europe-rise-new-report/

最近日本でもクラウドワークをめぐる問題がいろいろ指摘されるようになりましたが、英独蘭墺瑞5カ国の実態を調べたこの報告書はその少し先の姿を考える上でいろいろ興味深いものがあります。

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コメント

クラウドワーカー…。日本ではフリーランサーとでも言える方々かと思いますが、最近のネットワークインフラの充実によって欧米では「雇われない働き方」が大きなトレンドです。ただし報告書をざっと読む限り、想像通りまだまだクラウドワーカーの経済的自立性という点で課題は多そうですね…。

企業側から見れば、クラウドワーカーを使う利点は労働者を内製化するデメリットに対応します。つまり、彼らのフレキシブルな専門スキルやサービスを市場からタイムリーに競争力あるコストで調達することです。契約形態は、必然、エンプロイメント(雇用)ではなくてサービスコントラクト(業務委託)となるでしょう。

通常、企業が外部からリソースを調達する主な手段は〜スポットコントラクト、ロングタームコントラクト、インテグレーション(M&Aなどの内製化)の3種類ですが、クラウドワーカーの活用は最初のスポットコントラクトに相当しますね。

するとクラウドワーカーは労基法上の労働者(従業員)ではないため、休暇や残業規制や社会保険など諸々の「労働者としての恩恵」は受けられません。(サービスコントラクトですから、労働法ではなく独禁法や下請法の領域…。)つまり自由と柔軟性ある働き方の代償として、仕事すなわち経済的な不安定性は払拭されないようです。

いま日本では正規/非正規という「雇用」の世界での労働者の待遇格差(同一労働同一賃金)の話題で持ち切りですが、実はわれわれが直面している課題はもっと大きな視点、つまりAIやニューエコノミー社会における(保護されるべき)「労働者」とは誰か?、というより広い視点で議論しなくてはならないのでしょうね。

投稿: 海上周也 | 2016年12月10日 (土) 22時32分

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