ブラック「クビ」が中小企業で横行する理由@倉重公太朗
東洋経済オンラインで、経営法曹の倉重公太朗さんが「ブラック「クビ」が中小企業で横行する理由」を寄稿されています。
http://toyokeizai.net/articles/-/143160
そこにでてくる田中君の仮想事例が、
・・・しかし、翌日、僕は社長から呼び出され、「ウチは少数精鋭で同じ方向を向いてやってるんだ!経営の苦労を知らないくせに、自分の都合ばっかり主張するヤツはいらん、もう明日から来なくていい!」とクビを宣告されてしまった。
そんなに簡単にクビにできるのか?日本の労働基準法は厳しいんじゃなかったっけ?山田の会社と、一体何が違うんだ……?
という、まあ典型的な中小企業型「クビ」事案で、それについての説明で、
このケースを見て、皆さんはどのようにお感じになるでしょうか? 単にブラック企業が悪い、という問題なのでしょうか。今回の事例は、分かりやすくするために一部デフォルメしていますが、こうした話は決して珍しいものではありません(この点は、濱口桂一郎執筆『日本の雇用終了』に詳しい)。この事例から見える、日本型雇用の問題点は何でしょうか?
と、私のまとめた本を引かれています。確かに、中小零細企業の雇用紛争では、そういう事例はごまんと出てきます。
そういうのと、山田君の会社の
山田:そうかー大変だな。でもベンチャーだからやりがいあるんじゃないの?ウチなんて、ムダな会議だらけだし。あとは、高給もらってるのに働かない上司が多すぎだよ。エクセルで数字を入力しては戻すことを延々繰り返して仕事やってるアピールしてる「無限エクセル上司」とかな(笑)。ひどいのになると開き直って業務時間中なのにスマホのゲームをやったり、堂々と自席で寝てたりしてるんだぜ。
との落差の大きさに、気がついているかいないかで、日本の労働問題について論じている人の議論の深み(裏返して言えば浅さ)が分かるわけですが。
倉重さん、話は今回で終わりではなく、
次回は、このようなブラック「クビ」に対して、どうして人々は泣き寝入りをせざるを得ないのか、その理由を詳しく分析したいと思います。
と次回に引っ張るようです。
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