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これってリベサヨ?

Diodio 連合総研から機関誌『DIO』11月号をお送りいただいたのですが・・・・。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio320.pdf

特集は「安倍政権の4年と日本政治の これから」で、書いているのは山口二郎さんと中野晃一さん。

安倍政権の問題点と日本の政党政治のゆくえ 山口 二郎 ……………………4

右傾化に抗うリベラル左派連合の再生に向けて 中野 晃一 ……………………8

なんかもう読む前から中身がわかってしまう感が半端ないのです、とりわけ中野さんのタイトルは「右傾化に抗うリベラル左派連合」と、まさに(わたくしが言い出した意味ではなく、ネット上でネトウヨ諸氏がからかい言葉としてめったやたらに使っている意味における)「リベサヨ」そのものになってしまっておりますですね。

いやだからそうやって、「リベラル」ばかりを追い求めて、肝心の「ソーシャル」がどこかに行ってしまったりするから、諸々こういう事態になっちゃったりするんじゃないのでしょうか、というのが、もう10年以上前から本ブログで細々と呟き続けていることなんですけどね。

と思ってみていくと、表紙に「ソーシャル」という文字列が・・・。

第20回ソーシャル・アジア・フォーラム

おお、日本、韓国、中国、台湾の東アジア4カ国の民間レベルで続けられてきているソーシャル・アジア・フォーラムが20回目に達したんですね。

ちょうど6年前の2010年に、台北で開かれたフォーラムに出席した時の本ブログの記事です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-3af4.html (ソーシャルアジアフォーラム@台北)

来週、11月11.12日の両日、台湾の台北で、第15回ソーシャルアジアフォーラムが開かれます。

このフォーラムは、全逓、PTTIで活躍された初岡昌一郎さんが中心になって、日本、韓国、中国、台湾の4カ国(地域)の労働関係者が集まって、その時々の状況を報告し、討議するという会議ですが、今回の会議には、わたくしも参加して報告することになりました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-a3c6.html (ソーシャルアジアフォーラムの由来)

今週の木・金と、台北でソーシャルアジアフォーラムに出席することは本ブログで申し上げましたが、このフォーラムの由来について、初岡昌一郎さんご自身が書かれた文章をネット上に見つけました。ちょうど5年前に同じく台北で第11回のフォーラムが開かれたときに「メールマガジン オルタ」の22号に、「回想のライブラリー(4)」として書かれたものです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-000a.html (亜洲社会論壇@台北)

というわけで、木・金と台北で開かれるソーシャルアジアフォーラムに出席するため、明日からしばらく日本を離れます。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-f50f.html (亜洲社会論壇報告)

先ほど、台北から戻って参りました。

ソーシャルアジアフォーラムは、結局直前に中国からの参加予定者が許可が出なかったということで出席しないことになり、中国側の報告は台湾の出席者が代読することになりました。その内容は、現在の中国の労使関係状況をきわめて的確かつ犀利にえぐり取るもので、わたくしには戦前の日本の進歩的な官僚や学者が無理解な体制の中で労使関係システムの確立を説いた姿を想起させるものでした。

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コメント

日本では社会主義=ソーシャリズム勢力がソーシャルでなくリベラルという矛盾ということでしょうか。
自由民主党(Liberal Democratic Party)、社会民主党(Social Democratic Party)と政党名ではきちんと識別されているのに。

ただ、このことはhamachanの解説を読むまで恥ずかしながら、私も気づきませんでした。

投稿: りょう | 2016年11月25日 (金) 22時45分

ソーシャル(社会民主主義的な立場)が既に「公平・公正」とは見做されず、国民大衆が求めていないからでは?

「経済左翼政策を前面に出せば勝てる」ということは、無いと思う。

経済左翼政策が通用するのは、中間層以上の人が「増税されたい」と強く希望するか、低所得層が間接税に同意するか、が必要です。
日本ではそのどちらの政策も通らない(だから、社会保険料という形でこっそり搾取する政策を取っている)。


そもそも、「大きな政府で規制強化で平等とか言ってるけど、既得権益持ってる団体による身分制度じゃねえか」とツッコミを受けて瓦解したわけですよソーシャルは。

そんで批判者に対して「新自由主義」のレッテル貼るばかりでしょ。

ソーシャルによる平等偽装の権益漁りに辟易した左派がリベラル化するのは「公平・公正」の実現にとって望ましいことです。

平等と言いながら規制や分配による階級社会を作ったソーシャリストは反省すべき!

投稿: 阿波 | 2016年11月26日 (土) 09時48分

おれは公平な競争環境を求める反差別のリベラルだから、郵政民営化も電力自由化も賛成ですけど、

ソーシャル勢力は、「郵便局長が世襲で公務員なのは身分差別だ」という批判を黙殺してしまった(民営化騒動まえの労組はこれを批判していたが)。

ソーシャルの衰退は、平等を連呼しながら身分制度を維持・強化しようとしたことの当然の帰結だ。

ソーシャルも表向きは差別反対だから、今後も橋下氏のような「特権を許さない」という人が出てきたとき、たぶん何の反撃もできずに負けると思う。


新自由主義・構造改革というのは、「経済右派の立場からのリベラル左派ロジックでの攻撃(反特権・反差別)」ですから、不誠実な人はザクザク斬られるんです。

投稿: 阿波 | 2016年11月26日 (土) 09時56分

阿波殿

>「郵便局長が世襲で公務員なのは身分差別だ」

私は民営化前はこの意見を聞いて民営化に賛成しましたが、実際に民営化されてみると、従業員がキャンペーン商品を自腹で買わされるようになったりしたので民営化に疑問を持つようになりました。
競争自体が悪いとは思いませんが、民営化や自由化によって弱い人にしわ寄せがいくようであれば問題だと思います。

投稿: Alberich | 2016年11月26日 (土) 19時48分

>Alberichさん

私も自爆営業には反対です。

私はソーシャルを信用していないのは、資本主義と社会主義の良いとこ取りをする者がいる一方で、双方の悪いところを押し付けられる者がいるという矛盾を解消できないからです。

よく反新自由主義の人は「新自由主義のせいで弱者が苦しむ」といいますが、すでに社会主義で守られず放置されている弱者にとっては影響なし。むしろ苦しむのは、社会主義で特権的に守られていた者たちです。
ソーシャルは、「弱者を守っている」つもりで居るのだが、改革によって「ざまあみろ」と罵倒される特権階級に堕落している。

ソーシャルは「新自由主義に流れる大衆」を愚民視するが、自らが社会主義と資本主義の双方の利権を使い分ける搾取者であると気づいていない。

なんかこう書くと城繁幸氏みたくなっちゃいましたが私は城さんは嫌いです。

投稿: 阿波 | 2016年11月28日 (月) 01時12分

阿波殿

>すでに社会主義で守られず放置されている弱者にとっては影響なし

現状(ソーシャル)で守られない方もいると思いますが、それらの方を守るためには既に守られている方を放棄しないといけないのでしょうか(現状で守られる方の範囲を拡大するのではいけないのでしょうか)


>むしろ苦しむのは、社会主義で特権的に守られていた者たちです。ソーシャルは、「弱者を守っている」つもりで居るのだが、改革によって「ざまあみろ」と罵倒される特権階級に堕落している。

阿波殿が”ソーシャル”とおっしゃるのは、現状の指導者だけでしょうか、それとも現状で保護されている方も含むのでしょうか?
わたしは現状よりも多くの方が守られるのであればソーシャルでなくても良い(指導者は変更しても良い)と思いますが、現状で守られていない方を守るために現状で守られている方を放棄するのは反対です。
以前にhamachan先生が以下のようにおっしゃっていましたが、私はこの意見に賛成です。


>「カネくれ!」「仕事くれ!」こそが、もっともまっとうなソーシャルの原点なのです。
>それをもっと正々堂々と主張すべきなのですよ。
>無茶なのは、いやもっとはっきり言えば、卑しいのは、自分がもっといい目を見たいというなんら恥じることのない欲望を妙に恥じて、その埋め合わせに、安定労働者層を引きずりおろして自分と同じ様な不幸を味わわせたいなどと口走るところなのです。

投稿: Alberich | 2016年11月28日 (月) 19時07分

>現状(ソーシャル)で守られない方もいると思いますが、それらの方を守るためには既に守られている方を放棄しないといけないのでしょうか

どの程度の「保護」に合わせるかにもよるのでは。
銀行・JAL・東電の正社員なみの給与と安定を全ての人に保障することは不可能(そうすると企業の競争・淘汰を禁止しなければならなくなり、完全な統制経済と区別がつかなくなる)です。

雇用保障の差でも、ある程度の予見可能なルールに則って運用するならともかく、現状は無秩序に「強い者は守られ、弱い者は放置」なので特権維持に反対。

予見可能性が高く、参入が平等な場合は雇用に差があっても良いと思います。
例えば公務員の場合は試験が必要なので、非正規公務員と正規公務員の差を無くすことは「かえって不公平」なんです。それをやると権力者が好き勝手に任用できてしまうので。

東電の場合は全く不公平な救済のやり方なので差別ではないですか。彼らより低い給料で不安定な働き方をしている人々が、なぜ「逆再分配」に応じなければならないのか。

というか、JALの場合は一定の労働運動や訴訟が起こったわけですが、東電の場合は労働組合がデモやったわけではないんです。にも拘わらず、権力者が東電社員様を「忖度」して勝手に給料守ってくれるんですよ。これ恐ろしいことだと思いますよ。完全に貴族化している。

投稿: 阿波 | 2016年11月29日 (火) 18時39分

リベサヨがまた否定されちゃってますが、左派は汚職・談合・収賄・一部の人の税金による利得・不公平な競争に対して批判してきたわけで、この点では全く「リベラル」ですから、リベラル左派は相性が良いと言えるかもしれません。

一方で「保守」は階級や団体の既得権益擁護ですから、「リベラル」と逆なのはもちろんのこと、左派(平等)とも相性が悪いです。

新自由主義思想はもともと、大きな政府・官僚肥大に対する「差別反対」「統制(不自由)反対」「人治主義反対」から来ているので、「機会の平等・公平な競争」と「競争で救済できない貧困問題」を、経済左派と右派で止揚したい。

「法の下の平等」「公平な競争」「機会均等」「自由」に反する保守主義(復古主義)は、憲法違反なので禁止して欲しい。おれは市場原理でも共産主義でも許せますが、身分差別やライフスタイルの押しつけや個人主義への干渉や競争におけるズルイ行為(談合やドーピング)、これらは絶対許さないよ。

投稿: 阿波 | 2016年11月30日 (水) 11時09分

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