« 第132回日本労働法学会@獨協大学 | トップページ | 水川浩之『雇用が変わる』 »

2016年10月17日 (月)

過労死防止白書と電通第二過労自殺事件@WEB労政時報

WEB労政時報に「過労死防止白書と電通第二過労自殺事件」を寄稿しました。

https://www.rosei.jp/readers-taiken/hr/article.php?entry_no=586

 去る10月7日、厚生労働省は『過労死等防止対策白書』を発表しましたが、ちょうどそれに合わせたかのように、電通の女性新人社員の過労自殺が労災認定されたというニュースが飛び込んできました。電通といえば、過労自殺の最高裁判決(平12.3.24 最高裁二小)で有名な企業ですが、その同じ企業が、再び同じ新人社員の過労自殺事件を起こしたということで話題を呼びました。さらに、某大学の教授がネット上に「残業時間が100時間を越えたぐらいで自殺するのは情けない」と投稿したことが批判を浴び、炎上状態になったという“おまけ”までつきました。

 今日の労働社会における重要課題の一つが「長時間労働の是正」であることは言うまでもありませんが、かつては時短といってももっぱら所定労働時間の短縮に焦点が当たり、物理的な長時間労働それ自体を問題とする意識は希薄でした。それが近年、時間外労働の上限規制や勤務間インターバル規制といった物理的労働時間の規制に・・・・・

|
|

« 第132回日本労働法学会@獨協大学 | トップページ | 水川浩之『雇用が変わる』 »

コメント

長時間残業の過労死でお亡くなりになられた高橋まつりさんに心より哀悼の意を表します…。

まさに安倍首相肝入りの「働き方改革」がスタートした直後、電通のような日本を代表する超優良企業で起こった大変悲しい「事件」であると共に、ある意味会社組織の中で一番立場の弱い新人女性にマネジメント問題の皺寄せがされてしまった組織風土上の「事故」とも呼べる出来事ではないでしょうか。

勝手ながら想像するに、個人に課された厳しいプレッシャーの背景には新しいプレイヤーの参入などの広告業界を取り巻くビジネス環境の急激な変化等がありましょう。それでもビジネスの最前線で新人の部下を指導育成し、一人で成果を上げられるようになるまで成長させることが上司たるマネジャーの責任。そこで上司が特に気をつけなけれないけない点は、やはり部下の「心」のメンテナンス…。特に若い新人であればなおさらです。

組織がフラットな外資系企業では個々のマネジャーにかかる負荷はさらに大きく、それゆえ誰でもマネジャーになれる訳ではなく実際になりたがる人は少数派です。 本来、人の上に立つ職位に就く方には(ビジネス上の能力もさることながら)相応の自己鍛錬と覚悟が、厳しい自己省察が求められます。

おそらく今の日本企業の経営者やマネジャーに一番求められているのは、ビジネス的なセンス以前にもっと基本的なことー社会常識…。ビジネス人である以前に、社会人しての社会経済的なバランス感覚。そしてヒト-生物としての謙虚な自覚かと考えます。

われわれ日本人一人ひとりが組織で何が出来るかを真剣に考え行動に移していかないといけませんね。為政者もマスコミも国民もかつて「空気」に支配されることを甘んじ、悲惨な歴史を作ってしまった国民の子孫としても…。

投稿: 海上周也 | 2016年10月21日 (金) 06時31分

本日のNHKニュース…。複数の社員の証言により、同社では実態として残業時間の一部を自己啓発とし、残業申請自体は労使協定の上限70時間までとしていることが明らかに。今後は原則深夜業禁止ということで本社ビルも夜10時消灯になりましたね。

歴史を繰り返すことなく、むしろ電通さん自身からニッポンの「働き方改革」をリードしてくらいの気概を見せてほしいですね。広告代理店の職務は本来クリエイティブな仕事でしょうから、テレワークや裁量労働などのフレキシブルな働き方をもっと活用されていかれたらよいのにと外からは見えるのですが…。

くどいようですが、そのためにもやはり「自分の職務は何なのか?」「業務や責任の範囲は一体どこまでなのか?」という個々人のジョブを明確に定めてあげないと、上司から「悪いけどこれちょっとやってくれない?」と帰り際にしれっと頼まれたときに、毅然と「それは自分の仕事ではありませんから」と言って余計な仕事を断って帰宅するのは難しいしょうから…。

投稿: 海上周也 | 2016年11月 3日 (木) 20時49分

今回問題になった人は、寮通いで、土日もなく1ヶ月で300時間ぐらい働かされたということなので、テレワーク導入したところでなんともならない気がします。しかも何十年も同じことやってるので、最近どうだとかいう話でもないです。
ここまで酷いと、業務の合理化とか何とかいう前に、とにかく勤務時間を減らすことしかないのでは。感覚がほんと狂ってる。
そしてこういう大企業があると、自分とこは大企業でもなく、電通ほどすごくもないのに勘違いして、ここまでやらないとダメなんだ的に解釈して、低賃金で長時間働かせようとするバカモノが出てくるのでほんと迷惑です。

投稿: ありす | 2016年11月 4日 (金) 22時31分

電通は典型的なブラック企業ではない。
大企業エリート社員の労働をどう考えるか?
地位・報酬形態・雇用形態・労働時間の総合的な検討が必要だ。

また、東電の謝罪担当の精神疾患労災訴訟も、極めて特殊な案件だろう。
雇用維持や給与の額やその安定という点でのホワイト企業と、労働そのもののキツさというのを、どう整理するか。

投稿: 阿波 | 2016年11月 5日 (土) 10時35分

報道によると、亡くなった方は徹夜で作成した資料に対してその場で作り直しを指示されたり、長時間勤務後に疲れた表情で出社すると”女子力がない”と言われたりしたそうなので、この件は長時間労働というよりパワハラやセクハラの問題と考えた方が適切な気がします。
炎上教授は”私も企業に努めている時はその程度の残業はしていた”と釈明したそうですが、同じ100時間の残業でも上司や同僚と助け合って仕事に集中する場合とパワハラをされながら仕事をする場合では全く異なると思います。
但しパワハラやセクハラは長時間労働ほど客観的な判断基準がないので対策は難しい気もします。

投稿: Alberich | 2016年11月 7日 (月) 17時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/67989252

この記事へのトラックバック一覧です: 過労死防止白書と電通第二過労自殺事件@WEB労政時報:

« 第132回日本労働法学会@獨協大学 | トップページ | 水川浩之『雇用が変わる』 »