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2016年10月20日 (木)

ブランパン『ヨーロッパ労働法』

大内伸哉さんも書かれていますが、去る10月11日、国際的な労働法学の巨星ロジェ・ブランパン先生が亡くなったそうです。

http://lavoroeamore.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/roger-blanpain-.html

http://www.flanderstoday.eu/education/labour-law-expert-and-employee-advocate-dies-83

Roger_blanpain_c_ku_leuvenLabour law expert Roger Blanpain, emeritus professor at the University of Leuven (KU Leuven), has died at the age of 83. As well as being an academic authority, Blanpain had a strong voice in social debates on topics such as employee rights..

労働法の専門家にしてルーバンカトリック大学名誉教授であったロジェ・ブランパンが83歳で亡くなった。ブランパンは学術的権威であるとともに、労働者の権利などの問題に関する社会的議論に大きな影響力を持っていた。

187258私の在欧中、ちょうど小宮文人さんがルーバンカトリック大学のブランパン先生のところで在外研究をしており、その縁で、ブランパン先生の大著『ヨーロッパ労働法』の邦訳にも関わらせていただいたことがあります。

http://www.shinzansha.co.jp/book/b187258.html

http://hamachan.on.coocan.jp/blanpain.html

 本書は、EU労働法の第一人者で国際労働法学者として名高いベルギー・ルーヴァン大学名誉教授、ロジェ・ブランパン教授の著作European Labour Law(国際労働法百科事典の1部をなすモノグラフ)の第8版を翻訳したものである。同教授は、EU労働法に関する極めて多くの著書、編著、論文などを出版し、また、国際労使関係協会の代表理事を経験し、現在は国際労働法社会保障法の代表理事を務めるなど、国際的に労働法・労使関係の学会を牽引してきたスーパースターである。
 1970年代前半まで、ECの関心は主に通貨・経済統合という経済的側面に向けられてきたのであるが、1970年代後半から労働法を中心とする社会的側面にも強い関心が向けられるようになった。男女同一賃金指令、集団整理解雇指令、営業譲渡と労働者の既得権に関する指令などはみな1970年代後半に採択されたものである。その後、社会的規制を進めようとする加盟諸国とこれを嫌うイギリスのサッチャー政権と熾烈な抗争を経て、EU労働法は社会的価値と自由市場的価値との調和を図る欧州社会モデルを模索してきた。そうした中で、欧州労使協議会指令、労働時間指令、欧州会社法規則、一般労使協議指令など多くの注目すべき立法が採択された。また、欧州規模の労使間で締結された育児休業に関する協約、パートタイム労働に関する協約及び有期雇用契約に関する協約などが閣僚理事会の指令により実施された。わが国では、ここ数年の風潮として、グローバルスタンダードとされるアメリカの経済モデルがもてはやされ、社会的規制は悪であると決め付ける傾向がある。しかし、最近のアメリカ経済の危機は、アメリカモデル賛美に対する警鐘を鳴らしている。こうした状況のもとで、EU労働法の足跡と今後の動向は、わが国が将来の労働法の進むべき方向を模索する上で、益々重要なものとなるものと確信している。 ・・・

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