関島康雄『キャリア戦略』
経団連出版の讃井暢子さんより、例によって新刊、関島康雄『キャリア戦略-プロ人材に自分で育つ法 組織内一人親方のすすめ』をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://www.keidanren-jigyoservice.or.jp/public/book/index.php?mode=show&seq=446&fl=1
プロ人材とか、組織内一人親方とか、どういうことかというと、「ベンチのサインを見ずに仕事ができる」「自分に対してリーダーシップを発揮する」人のことをいうようです。
人が育つためには、「育てる力」「育てる場」「育つ気持ち」が必要です。なかでも重要なのが「育つ気持ち」ですが、それが最近、衰えていると多くの人が感じています。最近のマネジャークラスの特徴として、自信のなさと自己防衛本能の強さがあげられます。自分に自信がないので目標を下げる、変化が怖いので見ないようにして身の回りのことだけに関心を寄せる、人を傷つけることを恐れて意見をはっきり言わない。これでは、自分で育つ気持ちは生まれません。
本書は、組織に所属する中で「自分らしさ」「専門性」「自律性」を身につけ、プロフェッショナルと自他共に認められる人材に育つ法を、「キャリア」「リーダーシップ」「戦略」の切り口から解説します。
興味深かったのは第3章の「日本企業の特性」というところで、「戦略的思考に欠ける」とか「組織慣性の強さと内部資源依存性」はよく指摘されるところですが、「「買う側が偉い」という不平等」というのは、これはもう日本社会の隅々にまで行き渡った宿痾ですね。
第1章 なぜ組織内一人親方をすすめるのか
一人親方はおもしろい/「仕事が人を育てる」システムの積極活用/キャリア選択の幅が広がる
第2章 グローバル競争の時代
ビジネスモデルによる競争の時代/求められる複雑性の制御/ピンチもチャンスもある世界
第3章 日本企業の特徴
ビジネスモデルは内部資源に左右される/「買う側が偉い」という不平等/リーダーシップ不在とその影響
第4章 「一人親方」に自分で育つ
戦略目標を設定する/戦略目標を具体化する/戦略の成功・不成功の判定条件
第5章 キャリア形成とリーダーシップ
価値観にもとづくキャリア形成/人が育つのに必要な三つの力/自分に対して発揮するリーダーシップ
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