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2016年9月28日 (水)

渡辺・平子・後藤・蓑輪編『資本主義を超えるマルクス理論入門』

28029430_1渡辺憲正,平子友長,後藤道夫,蓑輪明子編『資本主義を超えるマルクス理論入門』(大月書店)を、編集部の角田三佳さんよりお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b244348.html

革命、経済、歴史に関する基礎理論を解説し、女性/家族、エコロジー、ナショナリズムなど現代の問題をマルクスの視点から考察。

大月書店と言えば、最近でこそ労働問題や貧困問題など社会派の本を手広くやっているという印象ですが、恐らく私より一回りか二回りくらい上の世代になれば、マルクス・エンゲルス全集の出版元というイメージが一番強いと思われます。

その大月書店が、満を持してか否かはともかく、マルクス理論の入門書を出すというのは、やっぱり世間で流行っているんでしょうね、マルクスが。

いまマルクスを学ぶ意味:渡辺憲正
第1部 マルクスを読む
第1章 社会を変える
[1]革命と将来社会:後藤道夫
[2]階級闘争の理論:後藤道夫
[3]私的利害と共同利害――国家と法律:後藤道夫
第2章  資本主義を批判する
[4]物象化された生産関係としての市場:平子友長
[5]剰余価値の生産と資本主義的生産様式:平子友長
コラム「『資本論』後のマルクス」:平子友長
[6]私的所有の特殊性と労働者の無所有:平子友長
[補論]ロックの問題
[7]資本蓄積と貧困:平子友長
 コラム フェミニズム世界システム論:平子友長
[8]恐慌:前畑憲子
[9]植民地化と世界市場:渡辺憲正
[補論]エンゲルス編『資本論』からマルクス自身の『資本論』へ
――新メガと研究の最前線:平子友長
第3章 唯物論的歴史観の創造
 「唯物論的歴史観の定式化」(資料)
[10]土台と上部構造:渡辺憲正
 コラム「カール・マルクス問題」:渡辺憲正
[11]支配の思想とイデオロギー:渡辺憲正
 コラム「『ドイツ・イデオロギー』編集問題」:渡辺憲正
[12]人類史の構想:渡辺憲正
[13]共同体/共同社会とその解体:渡辺憲正
[補論]マルクスの唯物論理解とエンゲルス:後藤道夫
コラム「ソ連マルクス主義の唯物論理解──「古い唯物論」の継承と共産党独裁」:後藤道夫

第2部 マルクス理論の射程
第4章 生と生活を問う
[1]女性/家族/資本主義:蓑輪明子
コラム マルクス、エンゲルスの理論と現代フェミニズム:蓑輪明子
[2]エコロジーと農業:渡辺憲正
[3]社会的疎外と宗教:亀山純生
[4]現代平等論とマルクス:竹内章郎
第5章 社会統合と危機
[5]ネイションとナショナリズム:渡辺憲正
[6]20世紀の大衆社会統合と社会主義:後藤道夫
コラム「グラムシ」:後藤道夫
[7]現代の経済危機:小西一雄
[8]物象化論が現代に示唆するもの――「再商品化」の矛盾と対抗:後藤道夫

しかしこの本、表紙に「入門」と唱っている割に、始めからずいぶんガチですね。

いやいやこれ、入門どころか、恐らく著者たちが内心想定して書いている読者層ってのは、マルクス研究者業界のあの人だったりこの人だったりするんじゃないかというのが、むしろ一読した感想。

とりわけそうですね、第2章[4]で、物象化(Versachlichung)と物化(Verdinglichung)は違うんだという議論を展開している所などは、本気で入門のつもりで読み始めた人にとっては、かなりのものではないかと。

あと、個人的には拙著『働く女子の運命』でマルクス経済学による生活給の正当化の議論を紹介したこともあり、第4章[1]は興味深いものでした。ここは、もっと突っ込んで議論を展開して欲しかった感があります。

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