都知事誕生! 続く「女性初」、残るはあのポスト?@読売オンライン
読売オンラインに京極理恵記者の「都知事誕生! 続く「女性初」、残るはあのポスト?」という記事が載っています。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160802-OYT8T50057.html
女性初の東京都知事が誕生した。折しも、男女雇用機会均等法施行30年を迎え、女性活躍推進法が施行された今年、日本公認会計士協会会長、サッカーの日本女子代表チーム「なでしこジャパン」監督など様々な分野で「女性初」のリーダー就任のニュースが続いている。といっても、女性初がニュースになるのは、男性が組織社会で多数派や主流派を占めてきた裏返しで、やっと「席を確保」した状況だ。国連のジェンダー関連指数で先進国の中でも低い順位が続く日本。この女性初ニュース、いつまで続くのか。
政治家から官僚から経営者からスポーツ界からいろんな話を「女性初」という切り口でごった煮にしたような記事ですが、その中に私もちょびっとだけ登場しています。
・・・採用や昇進、定年、解雇などでの性差別を禁じた均等法は施行当時、企業が違反した場合の罰則規定がないなど「ザル法」と非難された。また企業側が女性の待遇を模索しつつスタートした中、一握りに過ぎない「総合職」が孤立し、退職を余儀なくされる状況も報道された。『働く女子の運命』を著した労働政策研究・研修機構主席統括研究員の濱口桂一郎さんは、「家計を背負う男性正社員に安定した『生活給』を与えるというそれまでの『日本型雇用システム』を変えないまま、男女平等の概念を導入したため、女性を“男性扱い”する『総合職』と従来の女性枠の『一般職』に分けるコース別管理にならざるをえなかった」と、当時のシステムの不備を指摘する。・・・
個人的には、記事に挟まれている「これまでの女性初その1」という表の「霞が関(中央省庁)関連」の一番最初に、つまり山川菊栄初代婦人少年局長の前に、
1928 内務省工場監督官補 谷野せつ
と書かれているのがツボにはまっています。
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そうしたジェンダー問題をジャンプしたまま先進基準を取り込むに長けた国らしいです。
以前の小生コメントで新幹線大爆破(だったか)の中で妊婦の緊急事態で呼び出された医師がドアを開けての第一声「女医の○○です」に腰を抜かしながらその卵たちのもとへいったバカ話を載せていただきましたが、講義等での使用するジェンダーと文化の古典を。
設問・子供がけがをして父親とともに救急車で運ばれてきた。運ばれてきた救急担当医は驚いた。そしてこう言った。「この子は私の子どもです」。さてこの患者と担当医の関係は?
バカにしてはいけません。むろん多くの人は「母親でしょう」となればそれは吉。その正解にたどり着く方はジェンダーに対して健全および柔軟。おもしろい(不謹慎ですが)のは、「実の父親」「担当医は子どもの母親の不倫相手」なる迷答でございまして、要は連れ添ってきた親は父親と設定しているのに、条件反射というか文化的暗黙の了解としてかは別に男性と女性の社会的役割を無意識あるいは無比難のうちに刷り込ませている私流で申し訳ありませんが、ハイエクっぽく言えば「自生的秩序社会」の日本的帰結という話です。本来近代国家としての優れた初等よりの教育制度があるのに。それが紹介記事でのはまちゃん先生ご指摘にも通ずる変数の一つなのではと思われますね。記者の言わんとすることは「そこがヘンだよ、ニッポン」なのでしょう。そういえば英国の新しい首相をこう称しているそうです。Going MAY Way。どうなりますやら。
投稿: kohchan | 2016年8月 4日 (木) 14時59分
安倍首相は今回の第三次改造内閣人事と併せて「働き方改革」を謳い、長時間労働是正と同一労働同一賃金の実現に本気モード(「非正規を日本から一掃する!」)を見せていますね。果たしてどこまで既存の日本型雇用システム(職務無限定の総合職正社員ライフタイム雇用…)を残したままで「ジョブ」という概念を本格的に導入せずにそれらを実現できるのでしょうか?(私は頗る疑問です)…。そもそもどんな改革も改革と呼ぶ以上、特定の利益集団のそれなりの痛みなしでは達成しえぬものかと…。今後、既得権をもつ経済団体等のマジョリティ諸氏が制度改革プランにこぞって抵抗を示したとき(政治vs経済)、安倍さんはどこを見てどんな判断をされるのでしょうかね。遅かれ早かれ、彼の信念というかこの問題に対する哲学/理解度が問われるはずです。ちなみに、同一労働同一賃金を支える思想はヒューマンライツ(基本的人権)であって「神の見えざる手」ではありませんので、念のため…。
投稿: 海上周也 | 2016年8月 4日 (木) 17時37分
性や属性での差別を認めない社会構築こそ人類永遠のテーマ、それも複雑な各国歴史文化を把握する術がなかったいささか目的論に頼っているのがヒューマンライツ運動広がりのなさの要因のひとつの弱点です。情緒的には理解できても”べき論”と”である”が学問界で常に混じり合いそうで交わらない時間軸な感情に左右されるゆえんでもあると思われます。
そのブレークスルーをカルチャロミクスに依って進めるとすれば統治力等々のナイーブな文化論も必要なります。ただし要は人が主体ですからその解釈や地域性に恣意的考慮がなされることは甘んじてうけなければならぬことでしょうし、その所有は独占企業および政府となりへたをすればビッグブラザーを呼び込む危険もあります。現政権およびその政策ブレーン、経産省はその危険な延長線上に同床異夢の関係を政権交代以降築いてきましたが、そろそろ夢の落としどころで齟齬をきたし始める時期と思われます。
また同一労働同一賃金をよくぞ左右政党こぞって言い出す時代になったもんだが到達点でそれらも同床異夢というより政治手段的要素は否めませんので海上さんの危惧はその通りかと存じます。ただしテクニカルな問題はあるとしてもその本質は歴史に依ることができる現代人の優位性をフル活用する知性こそ切り札ではないでしょうか?さて、それをそもそも英国に(でしか知りませんので)求めると「等質・等量の労働に対し性別、年齢、人種等々出自のくべつなしに同じ賃金をとの原則論だとすれば、因果は当の英国では19世紀末に”男女同一賃金”の要求を労働組合が取り上げ、さらに第一次世界大戦下での労働力不足の時代背景により協定下されたと門外漢浅学での認識です。上記さて以降の諸条件が英国事情であり、比較文化論題材の地域特殊性をひとつの限界点(階級社会であり戦争という特殊事情、それに基づく女性活用への労組戦略)としてのみ解とされると思われます。集団(目的論的組織)のもつその限界性を見極め有効に機能させる人知こそマザーシップではないかと思っております。それに予算を削る(新しい文部科学大臣は引き継ぎ式場で堂々と「予算削減を引き続きすすめます」と)選択と集中の教育行政の失敗が実は国力=生産にこそ問題ありとした早川さんを基とするエントリでの私の主旨です。これも別エントリでの経済的徴兵制がマタハラ以上にムーブメント化すると申し上げたものと連動するものです。記者さんの着目点には賛同いたしますがそれを膨らませないととも思います。それができない事情があるとすればそれもビッグブラザー現象かもしれないと市井の人々がいかに多く気付くかでしょう。そこが最終的には現政権と民主主義の対立点でもあろうと思います。経済は常に経済の合理性でしか動きません。それを壊したら革命団体となりますから。
投稿: kohchan | 2016年8月 5日 (金) 08時11分
すいません。一言。
ヒューマンライツも目的論である限り、創造主がいることが前提となります。決定論も予定説同様にそうです。
ギルガメッシュ叙情詩以降、キリスト教神学を勉強しないで安易にスミス(たった一回の)を使う傾向は日本独特でこれもガラパゴスというかIMPORT-OKユルユルで、スティグリッツの著書を訳本、利用される某退官先生の功罪もあるかと思われます。スティグリッツはナイーブな学者ではありません。
さて、そこでもどってですが、国家神道とキリスト教神学は違います。
しかし、昭和天皇は敗戦直後悩み、それまで相容れないと思っていたカトリックに改教する意向(一時的であれ)であった史実があるように(知る限りですが)、その苦悩を観ておられた平成天皇が美智子さんを(美智子さんこそスゴい方ですね)迎えられた決意は今の生前退位に体現されておられると思います。全くエントリとは離れてしまいまして申し訳ありませんが、語彙がユルいとつい。
投稿: kohchan | 2016年8月 5日 (金) 19時20分