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2016年8月15日 (月)

最低賃金の大幅引き上げ、必ずしも低所得層にメリットはな・・・・かった、20年前までは

この2016年という時期になって、こういう20年前なら概ね正しかったんだけどねえ、という議論を平然と持ち出す感覚がなかなか興味深いものがあります。

http://news.livedoor.com/article/detail/11891396/ (最低賃金の大幅引き上げ、必ずしも低所得層にメリットはない)

安倍政権の強い意向を受け、最低賃金が大幅に引き上げられることになりました。日本の最低賃金は諸外国と比べて低かったという現実を考えると、今回の決定にはそれなりの意味があると評価してよいでしょう。ただ、最低賃金の引き上げは必ずしも低所得層にメリットをもたらすわけではありません。場合によっては、むしろ中間層に利益をもたらす可能性もあります。

・・・最低賃金労働者の多くは、主婦のパート労働なのです。

・・・したがって最低賃金を引き上げた場合、実際に所得が増えるのは低所得層ではなく中間層の可能性が高いということになるでしょう。

何というか、間違っていないんだけど、それは高度成長期から1990年代初め頃まではまず間違いなく世の中の大部分で正しかったんだけれども、その後バブルが崩壊して、それまでなら正社員就職できていたような若者が非正規化していき、そしてその人々がやがて次第に中高年化していく中で、だんだんとその正しさが削り取られて少なくなっていった、そういう話を、今更のごとく、20年遅れの出し遅れの証文を、たった今俺様が見つけたんだぜとどや顔で自慢たらしく持ち出してきているような、そういう記事ですな。

そう、だからほんの10年前、第1次安倍内閣のときに最低賃金の急激な引き上げが始まるまでは、どうせ最低賃金なんて主婦パートと学生アルバイト用のものなんだから、ちびちびと上げてるような上げてないような上げ方だったのが、再チャレンジ政策といううたい文句で急激に上げるようになったわけです。それが10年前ね。

世の中が変わりだしたのが20年前、政策の認識が変わりだしたのが10年前。

そして第1次安倍内閣から始まった最賃の引き上げが政権交代を貫いて10年間進められ、第2次安倍内閣で更なる引き上げ目標が立てられているというのが今ここ。

もちろん、それでもなお現在でも、非正規労働者の総数の過半数は未だにパート主婦型の家計補助的労働者です。しかしもはや家計維持的労働者は無視しうるような少数派ではなくなってしまったのであってね。

というようなことを全然知らない人が、何かを読み囓って、ちょいと深く勉強してみようという気持ちがこれっぽっちもないまま、原稿料稼ぎに書いてみました、という感じの文章ですね。

(追記)

一応念のため。いうまでもなく、20年前より以前でも、家計維持的に働く非正規労働者はいました。とりわけ、子どもを抱えたシングルマザーは、まさにワーキングプアの典型だったわけですが、当時のメインストリームからすればそんなのは周辺的な例外だったわけです。

それがだんだん認識されるようになり、国政の重要課題に盛り上がっていくためには、就職氷河期世代の(当時の)若者たちの姿が可視化される必要があったわけです。

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コメント

この記事の元記事なんですが、
http://news.livedoor.com/article/detail/11891396/
とあって上部の「THE PAGE」のリンク先は
http://news.livedoor.com/category/vender/thepage/
です。記事自体は上記リンクですが、
署名の「The Capital Tribune Japan」を検索すると
http://www.capital-tribune.com/
と言うサイトが出てきますが、「最低賃金」でサイト内検索をすると、この記事は出てきません。
また、上記ページの最新の記事が2015/10/10です。

うーん、、、、、

はまちゃん先生の「動機仮説」で説明つきそう。パチパチ。
おそらく「103~130の罠(私の造語ですよ)」報道に強く影響され、それに殉じた仮説を立てたのでしょうね。
はまちゃん先生ご承知通り、最賃引き上げだけではなく、雇用保険加入緩和(雇用側への圧力ともいえます)等々様々な労働に絡む生活メニューでの改善策をすっぽり抜かしてしまったため、「はまちゃんの罠」に簡単にはまった残念な人となられたのです。
私同様冷ややかなエントリ・コメントで、とても他人とは思えません(笑)。

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