『現代の理論』改題1号
封筒を開けたら、『現代の理論』という大きな文字が目に飛び込んできました。
あれ?明石書店から出ていた『現代の理論』は4年前に終刊し、その後2年前からデジタル版としてネット上でアップされていたはずだけど、また紙媒体になったのかな?と思いましたが、そうではなかったようです。
私も両者の関係がよくわからないのですが、デジタル化した『現代の理論』はこっちにちゃんとあるので、
今回送られてきたのはそれとは別の『現代の理論』のようです。表紙をよく見ると、「改題1号(季刊・FORUM OPINION・通巻33号)」とあるので、そういうことなんですね。
https://sites.google.com/site/gendainoriron/home
こちらにはまだアップされていないようですが、ここにある『FORUM OPINION』の改題版ということなのでしょう。
ざっと見た限り、どちらもいわゆるリベラル左派の論者がずらりと並んでいるので、何らかのつながりはありそうですが、よくわかりません。
ただまあ、特集が「参院選・安倍改憲政治と立憲主義」で、表紙に並んでいる論文が
安倍政権の歴史的位置と野党・市民連合の可能性 中野晃一
言論の自由の危機にいかに対峙するか 山田健太
原発廃炉の時代に突入したが廃炉は可能か 小出裕章
といった、いかにも典型的なリベラル左派然としたものばかりで、どうも食指が・・・・・。
あえてその中でも探せば、被曝労働を考えるネットワークの中村光男氏の「孤立無援の被曝労働者 除染作業下で人間が潰される福島第一で初の労災認定」が、最近余り関心が向けられなくなった原発関係の被曝労働の問題を取り上げていて興味深かったのですが、この雑誌全体の中では、原発批判の文脈に含まれてしまっているように見えて、労働問題としての展開がどうなんだろうという気がしました。
この論文自体は、原発労働から話を広げて、日本の産業構造の重層下請制度の問題だと論じているんですが、そっちの、社会政策的な問題意識は雑誌全体としては必ずしも余りメインではないような感じです。
あと、蜂谷隆氏の「日本経済を俯瞰する本」の中で、松尾匡さんの『この経済政策が民主主義を救う』が取り上げられていたことは報告しておきますね。
・・・ところで、同書が出版されて以降のことではあるが、金融政策に行き詰まったことでアベノミクスは、第2の矢である財政出動にシフトしつつある。「復活ケインズ理論のリフレ派」もオールドケインズ理論に戻り始めた。松尾氏は現時点でどのようなスタンスを取っているのか、是非聞きたいものである。
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