欧州労連決議「公正なデジタル労働に向けて」
昨日(6月16日)、欧州労連が中央執行委員会で「公正なデジタル労働に向けて」という決議を採択しました。
https://www.etuc.org/documents/etuc-resolution-digitalisation-towards-fair-digital-work
デジタル化によって社会が少数の勝者と多数の敗者に分裂し、富の不平等をもたらさないように、といった一般的なことから始まっていろいろなことが書かれていますが、具体的な提起として注目したいのは、
g)to propose an EU framework on crowdworking to prevent the undermining or circumventing of minimum pay rates, working time regulation, social security, pension schemes, taxation, etc., to ensure that national and European regulations and legislation effectively apply to digital crowdworkers in online environments and to ensure the rights of digital workers in online environments; establishing fair rules, ensuring minimum remunerations are paid, giving access to social security; to protect intellectual property rights;
ト)クラウドワーキングが、最低賃金、労働時間規制、社会保障、年金制度、税制などを掘り崩したり回避するのを防ぎ、各国やEUの規制や法制がオンライン環境のデジタルクラウドワーカーに効果的に適用されることを確保し、オンライン環境のデジタルワーカーの権利を確保するために、公正なルールを確立し、最低報酬が支払われることを確保し、社会保障へのアクセスを与え、知的財産権を保護するためのEUの枠組みを提案すること
という項目です。
日本でも既に結構な数のクラウドワーカーが活動しているはずですが、その全貌はほとんど分からず、その働く権利がどうなっているのかもよくわかっていません。
これも重要です。
l)trade unions to use all representative bodies to shape fair and inclusive digitisation of companies and services and to organise self-employed workers;
ヲ)労働組合が、企業やサービスの公正で包摂的なデジタル化と自営労働者の組織化のために全ての代表機関を活用すること
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もたもたニッポンとは雲泥の危機感共有発信ですね。
お叱り覚悟で申せば、クラウドワーキング…に始まる提案とは、例えばこれまでのカトリシズム型の神(国)の伝達者のもとに集う階層社会の協働と分配制度がデジタルによる情報伝達クラウド化により既存の伝達支配とその下に集約された人間社会が分断と細分化され、各人が神との直接対話=プロテスタンティズム型に移行することでの前システムとの進行中のハレーション(ですからそれは織り込み済が前提)をいずれ迎えるシンギュラリティを見据えて今からファインチューニングできる下地作り=あらためてスタートラインの認識一致がいかに成否を握るかをを知っている賢さを感じさせます。そうであれば指数関数的収穫加速の法則による独占あるいは寡占化は、神を軽々と乗り越え民は多くの犠牲により勝ち取ってきた協働の社会システムをかつての神殿と同じ運命に導いてしまう危機感のあるのでしょう。その通りだと思います。今の欧州各国に急速に台頭してきた保護主義の台頭とは、上記の来るべき現象を直感的に察知した危機意識の混乱によるイントロダクションでしかないと思われ、こうした認識一致を早急にすすめる努力を日本社会も進めないと…。これからBIものがいっぱい発信されるだろうなあ。今だけですが、そういう方、ビジネスチャンスですよ(笑)。
投稿: kohchan | 2016年6月18日 (土) 08時41分