「BG]から「OL」へ
「田園都市の風景から」というブログで、拙著『働く女子の運命』が取り上げられているのですが、
http://blog.goo.ne.jp/ken77ako/e/995e3cbf17c28596906709f8db8ebde9(「BG]から「OL」へ・・・記憶の彼方から)
今でこそ男女共同参画社会の実現が目標となり、雇用面でも男女雇用機会均等法が施行されているが、少し前までは女性は労働力の主要な担い手とは考えられていなかった。
明治以降の日本で、長いあいだ女性は短期雇用が当然とされていた。我が国の特徴とされていた終身雇用制度は、家計を支えている男性を前提にしている。女性が社会で働くことは、昔は修養としての意味もあり、結婚すれば退職するのが一般的であった。
「職場の花」や「寿退社」という言葉が普通に用いられていた。この仕組みは我が国の社会構造や家族制度に深く根ざしており、変化してきているとはいっても、いまでも女性が定年まで男性と同様のキャリア形成を図ることは簡単ではない。
本書はこうした観点から女性の労働について考察している。私のようなリタイア組よりも、今働いている人びとに読んでもらいたい本である。
と、ここまでは普通の書評なんですが、このあと若干モードが変わります。
それはそれとして、本書の中で或るエピソードが語られており、遠い記憶の彼方にあった疑問が氷解した。
「遠い記憶の彼方」・・・。実はこのブログ主さん、「団塊の世代として昭和・平成を生きてきました」と自己紹介しておられます。その世代の方の「遠い記憶の彼方」とは?
私がまだ青年期に差し掛かる前の話である。新聞や雑誌等のマスコミでは、女性会社員のことを「BG」と呼んでいた。ビジネスマンに対するビジネスガールである。私は、実社会では洒落た呼び方をするものだと納得していた。
それがある時期から一斉に「BG」という言葉が消え、「OL」という用語が出て来た。最初は意味が分からず、記事の前後関係で「BG」と同じことだと理解した。オフィスレディの略語だと知ったのは、しばらく後になってからである。
当時、私はどうして「BG」が使用されなくなったのか不思議であった。ささやかな私の疑問は時間が経つにつれて風化していき、「OL」という言葉を当然のごとく受け入れていった。
その疑問が本書で解けたのである。
自分で書きながら、こんなトリビア、誰が面白がるかな?といささか不安もあったトピックですが、団塊の世代の読者の方には見事にツボにはまったようです。
ただ、つい書き加えた一言が余計だったようです。
本書を読んで偶然にも答えが見つかり、すっきりとした気持ちになった。しかしこのエピソードには、『よほどの高齢者でなければ今どき「BG」なんて言葉を知っている人はいないでしょう』という文が続いている。
何だか化石になったような気分で面白くない。
配慮が足りずに、まことに申し訳ありません。
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トリビアどころか「女医」は生き続けていますよ。
それだけ価値があるということでしょう。なんのか価値か、誰の価値かがBGからOLにも繋がる本ブログ主催者の時代を読ませる腕の見せ所ではと思います。
ちょうど先週かな、隙間の時間にbs-3で「新幹線大爆破」博多までの話ですからいつの映画でしょ?だったか初めて途中まで観ましたら、止まれない新幹線車中で出産が始まってしまったため呼びかけに応えてきた医師のセリフ「女医の○○です」っでひっくり返り、その卵たちに会う切ない時間と相成りまして、この映画の話をいたしました。ぽか~んとしてましたが、実は反発とともに利用価値を強かに知っているのですからステレオタイプの単純化された性差異もシーンごとに真逆すらあるのが人間曼荼羅社会であると思われます。両極って単純化されているでしょ。だからいったん入ったら抜けられないのでしょうね。あとは自己否定をひたすら回避するだけですから、その裏切りの仕打ちも必然です。単純化、抽象化するって必要不可欠であり、しかしそのハレーションを知らないでのめり込むと怖いんですよ。実験科学の数多の不祥事がコンテクストなんですが、密は甘いんですよ。脳の報酬系は絶対に忘れませんから。
投稿: kohchan | 2016年6月13日 (月) 19時17分
そういえば、「女優」さんですよね。男女関係なく「俳優」って言えばいいのに。
さらにさらに、「女子アナ」ですね。まあこちらは、タレント枠の女子アナと、職務枠のアナウンサーに分かれるような気がします。
投稿: ちょ | 2016年6月14日 (火) 00時10分
そうなんですよ。
一括りで大方の人々が判断可能なこととは、生物学上の超長期的進化となるゲノム進化解析技術の歴史が浅すぎるためと、それは「種」=人種問題に波及する危険性をはらんでいるので今は社会科学お得意の文化、地政学等の視点から派生したとする社会慣習に「適用」してはならないというで一致できるでしょうか(笑)。しかし世界規模で観ますと皆さんご承知の通りそれが各々細分化されいく先(国や地域)には文化等だけでは説明不可なメリット、デメリットが枝葉ごとに存在する小難しいものになりますね。違ったカテゴリですが、米国の公的皆保険制度や銃規制等々への反対は日本では理解不能でしょうし、制度を統一すれば万事解決なんていきません。こうしたなかなか「いっせーのせ」では動かしがたい現象の説明に社会科学系の限界を知りゲノム解析の進化を期待しております。なぜここで「進化」を使ったのかが冒頭の文に私なりの人種差異を差別とは混同しないための自然科学アプローチかなあと思っております。社会科学との
融合が可能になれば、こうした小難しい問題解決へのブレークスルーとともに地域共同体相互の互恵も違った視点から理解可能とも思えます。意外と早く来るかもしれませんよ。
投稿: kohchan | 2016年6月14日 (火) 10時33分
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0285685.html
「先輩たちは後進に道を譲ってきた。あなたも考えてほしい」。退職した女性の1人は職場結婚後、上司からこう告げられたと明かした。「まだ働きたい」と伝え、夫婦が役場に残る方策を探ったが結局、退職した。
女性は「上司も職場結婚した人が多く、妻はみな辞めている。その中で反発するのも限界。こんな思いをするのは私で終わってほしい」と憤る。
約10年前に退職した別の女性は「採用後の新人研修で『職員同士で結婚した場合は辞めてもらいます』と言われた」と振り返る。夫と付き合い始めたことが分かると、上司から「結婚したら分かっているだろう」と言われ退職。「つらい思いをしてまで残りたいとは思わなかった」
投稿: 北海道 | 2016年6月25日 (土) 12時08分
日本って右も左もなかったんです。あるのは男根思想。
哀しい話ですね。
戻りたくなですよね、今がいかに悪くとも史実を知れば・・・だから初等中等教育で時間切れを理由にリアルな現代史を抜いた教諭たちは贖罪の意味で・・・抗えないよね。
家族が、家計負債が人質ですから。今も同じですよ。
私も含めカッコつけた理論でマスターベーションしている今を造った人びとの声もあげられない選択しなき時を「取り戻す」と思う哀れな”純度”を無謬するか誤謬するか可謬するかは今のその人びとにいただいた産物です。たぶん笑っておられるでしょう。先物負債でレバレッジしか方法がない時価会計により簿価との微積分覇権のとりあえず決着が今を現象化しているのですから。
北海道さんのコメントは本ブログにて初めて心にしみました
。
投稿: kohchan | 2016年6月25日 (土) 18時00分