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2016年6月 3日 (金)

『DIO』6月号に冨山和彦さん登場

Dio 連合総研の『DIO』6月号が届きました。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio316.pdf

特集は「事業再編に対応する労働法制の整備」で、執筆者3名のうち2人まではまさにこういうところに登場しそうな面子なのですが、

事業再編に対応する労働者保護法制の整備−積み残されている本質的課題 有田謙司……………………4

事業再編(事業譲渡)による労働者の権利侵害の実態と法的課題 徳住堅治 ……………………8

有田さん、徳住さんに続く3人目の方の名前が、おそらく連合総研の機関誌に出てくるとは余り想定されない方でして、

事業再編・再生と労使関係~事業再生を成功に導く経営の課題 冨山和彦 …………………12

そう、あの冨山和彦さんです。

冒頭出てくるエピソードがもうはや心をつかむ勢いで、

 「組合が強かったためにこんな高人件費構造になってしまった」

 「祖業の売却なんて組合が反対するのでまず不可能です」

 「そんな再生計画、絶対に組合がのんでくれません」

 三井鉱山、カネボウ、JAL、ダイエー・・・などなど、多くの企業の再建に関わってきた中で、当時の経営陣から何度も聞かされてきたセリフである。そしてマスコミや経営評論家も、その話を鵜呑みにした報道やコメントを出しがちだ。しかし、実際に私が再建に取り組む中で、そこで真摯に協力してくれたのは「組合」の皆さんであった場合が少なくない。

 このかい離は何か? なぜ起きるのか?私は日本企業の「経営」が抱えている根本病巣、根本課題がそこに横たわっていると考えている。本稿ではその構造と、私なりの解決仮説を提示したい。・・・・

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コメント

冨山さん曰く「会社再生ではなく, あくまでも事業再生。社員は個々の職務専門性を高めるべし。新日本型雇用慣行の軸は、会社志向ではなく、事業と仕事がベース。それに整合的な人事制度と雇用契約を構築すべし」と…。

ここで興味深い点は、事業再生としてわが国第一人者の冨山さんが、まさに同じ結論(ジョブ型契約)を導き出したことと、それを労働組合側に説得的に語りかけていることです。「そっちの方が会社と共倒れするリスクが少なく、労働者側にとってもメリットがありますよ」と…。

それはそれでよろしいのでしょうが、ところでその後の労働者の生活保障等、政治的に合意を得るべき民主的方法論はどうなんですかねえ?とブログだけでの疑問で申し訳ないのですが。
すべては老若男女の残余余命の時間的な、あるいは未来を先喰した信用創造による契約(家計負債ですね)等々の長短を考えたうえでの国民生活すべてに関わる壮大なご提言になるはずであるとと思われるのですが、本ブログの性向とはいえ社会実験には数多の危険が伴う還元されたある変数への傾斜度合いが稚拙ながら気がかりです。どうも最近しっくりしません。

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