DNPファインオプトロニクスほか事件@東大労判
昨日、東大の労働判例研究会でDNPファインオプトロニクスほか事件を報告。
さいたま地裁の判決と東京高裁の判決が、結論(だけ)は同じだけれども、そこに至る筋道がまったく正反対なので、両者を比較対照しながら評釈しました。
なにしろ、さいたま地裁にかかったら、本件は偽装請負であり、労働者供給事業であり、職安法44条違反であり、労基法6条違反なのですが、だけれども黙示の雇用契約も共同不法行為も認めないといういささかわかりにくいものであるのに対して、東京高裁は偽装請負じゃない、からそのあとも全部否定というわかりやすいもの。
ただ、そもそも偽装請負か否かという基準について、いずれも指揮命令についてオールオアナッシング的考え方で論じている点がおかしい、というのが私の主たる論点でした。
請負であるためには請負業者が指揮命令をしていなければならないというのは確かですが、だからといって注文者が少しでも指揮命令をしたら全て偽装請負になるというのはおかしいのであって、安衛法などは指示をすることを求めているわけで、指揮命令じゃなくて指示だなどという言葉遊びでごまかすのではなく、両方から指揮命令/指示行為がされている状況においては、その比較考量で判断すべきではないか、というのが私の意見です。
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