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2016年5月21日 (土)

部落差別の解消の推進に関する法律案

自由民主党、民進党、公明党の3党共同で、「部落差別の解消の推進に関する法律案」を国会に提出したとのことです。

民進党のホームページに法案と説明が載っていますが、

https://www.minshin.jp/article/109119

https://www.minshin.jp/download/28133.pdf

なんだかこういう人権法関係がぱらぱらと個別に出てくるなという感じです。

小泉政権時代に政府が提出した人権擁護法案が、当時は野党の反対で、その後はむしろ自民党内部の反対で成立に至らず、民主党政権時代に出した法案も廃案となるなどという状況の中で、障害者については国連の条約の関係で法律ができましたが、そのほかはヘイトスピーチの法案が今国会に出され、LGBTもいろいろ動きがあるようですが、それらをまとめて人権立法を目指す考え方はなお表には出てこない状況が続いているようです。

人権擁護法案では「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」というかなり包括的な差別理由を掲げていましたが、当分そういう立法の望みはなさそうです。

http://hamachan.on.coocan.jp/kikan246.html「労働人権法政策の諸相」『季刊労働法』246号

・・・・・・

(5) その後の推移

 しかしながら、残念ながら特にメディア規制関係の規定をめぐって、報道の自由や取材の自由を侵すとしてマスコミや野党が反対し、このためしばらく継続審議とされましたが、2003年10月の衆議院解散で廃案となってしまいました。この時期は与党の自由民主党と公明党が賛成で、野党の民主党、社会民主党、共産党が反対していたということは、歴史的事実として記憶にとどめられてしかるべきでしょう。

 その後2005年には、メディア規制関係の規定を凍結するということで政府与党は再度法案を国会に提出しようとしましたが、今度は自由民主党内から反対論が噴出しました。推進派の古賀誠氏に対して反対派の平沼赳夫氏らが猛反発し、党執行部は同年7月に法案提出を断念しました。このとき、右派メディアや右派言論人は、「人権侵害」の定義が曖昧であること、人権擁護委員に国籍要件がないことを挙げて批判を繰り返しました*1。

*1全くの余談ですが、この頃私は日本女子大学のオムニバス講義の中の1回を依頼され、講義の中で人権擁護法案についても触れたところ、講義の後提出された学生の感想の中に、人権擁護法案を褒めるとは許せないというようなものがかなりあったのに驚いた記憶があります。ネットを中心とする右派的な世論が若い世代に広く及んでいることを実感させられる経験でした。

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