『支援』第6号
http://www.seikatsushoin.com/bk/155%20shien06.html
この雑誌を見るのは初めてなので、どういうつながりで私に送ってきたのだろうかと思いましたが、表紙に橋口昌治さんの名前を見つけて、なるほどと思いました。下記の通り、橋口さんの「最低賃金の三つの顔」という論文が掲載されており、これを読めという趣旨でお送りいただいたのでしょう。
特集1 その後の五年間
【震災】
描かないと福島が潰される──端野洋子さん(漫画家)に聞く 端野洋子
東日本大震災と理不尽な原発事故に遭遇して
──被災障がい者の支援活動を行ないながら日常生活を送って感じたことなど 白石清春
【貧困】
貧困問題への「支援」という営みの周辺
──震災後五年間の生活保護をめぐる話題・出来事から考える 岩永理恵
【労働】
最低賃金の三つの顔──貧困対策、「成長戦略」、労働市場改革 橋口昌治
【ヘイトスピーチ】
ヘイトスピーチ問題の構成過程──三・一一以降の運動が可視化させたもの 金 明 秀
【介護保険】
改正介護保険──地域は高齢者を支えきれるか 春日キスヨ
【障害者福祉制度改革】
〈自立生活支援〉のブレークスルー? 岡部耕典特集2 くう、ねる、だす
【くう】
介護者とともに生きる方法 橋本操
摂食障害における「くうこと」と「くうもの」 宮下阿子
【ねる】
眠れない休めない──精神障害者の休息・睡眠を阻む社会 桐原尚之
見えない者が見る夢 大河内直之
【だす】
自立のキーワードは排泄にある──気持ちよく「出す」ための工夫と方法 小島直子
心地よく出すこと 浜田きよ子トークセッション
障害児の母、やってます!──ハハのコマッタ、そしてウラワザ 福井公子×すぎむらなおみ
(司会/岡部耕典・出口泰靖)
エッセイ
女性差別撤廃条約(CEDAW)国連ロビーイングに参加して 藤原久美子
認知症とよりよく生きる──ジョニィさん&真梨子さんの場合 水谷佳子
(ほぼ偽りのない)経過報告──バルネラブルな知識の交換のために(5) 飯野由里子支援の現場を訪ねて
① 草の根ささえあいプロジェクト(名古屋市)──合理的な支援と手をかけること 井口高志
② さくらピア(豊橋市)──あなたの避難先に障害者が来たら 土屋葉
③ ジョイアススクールつなぎ(奈良市)──「学校」という場の持つ意味 井口高志書評
① 共同性のオルタナティブへ──支援を受けて暮らす自立生活の現在
(『ズレてる支援!──知的障害/自閉の人たちの自立生活と重度訪問介護の対象拡大』
寺本晃久・岡部耕典・末永弘・岩橋誠治著) 深田耕一郎
② 地域で掘り下げる障害者運動史の試み
(『愛知の障害者運動──実践者たちが語る』障害学研究会中部部会編) 廣野俊輔
③ ミクロな相互作用の観察から問う当事者性の構築
(『路の上の仲間たち──野宿者支援・運動の社会誌』山北輝裕著) 山本薫子くまさんのシネマめぐり
セルフ・ドキュメンタリーがもつ力──『ちづる』『チョコレートドーナツ』 好井裕明ブックガイド
震災のもう一つの証言(『原発震災、障害者は…──消えた被災者』青田由幸・八幡隆司著) 土屋葉
口は目ほどにものを見る(『目の見えない人は世界をどう見ているのか』伊藤亜紗著) 倉本智明
ノンエリート若年女性の語りがひらく新たな視野
(『高卒女性の12年──不安定な労働、ゆるやかなつながり』杉田真衣著) 村尾祐美子
日本の「働きにくさ」「産みにくさ」について明確に回答する一冊
(『仕事と家族──日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』筒井淳也著) 永田夏来
食をとりもどすために(『食べること考えること』藤原辰史著) 三島亜紀子口絵 福島・郡山 あいえるの会 写真・矢部朱希子
表紙装画 白石清春
橋口さんの論文は、近年の最低賃金引き上げの政治課題化には、貧困対策という顔だけではなく、成長戦略、そして労働市場改革という顔があり、その点があまり認識されていないことを訴えています。私のネット上の文章まで使っていただいているのはびっくりです。
あと、特集2の「くう、ねる、だす」ってのがいいですね。そう、生き物は毎日「くう、ねる、だす」。
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