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2016年5月12日 (木)

時間外にEメールされない権利

_89641461_woman_cut BBCニュースから、フランスの労働法案の中のある条項が紹介されています。

例によって、イギリス人がフランスの労働法の動きを語る時特有のちょいと皮肉な感じをかもしつつも、かなり正面から取り上げています。なんといってもこの問題、急速に「いつでもどこでも」化しつつある現代社会にとって共通の問題だからでしょう。

http://www.bbc.com/news/magazine-36249647 (The plan to ban work emails out of hours)

Should governments step in to regulate work emails and so rescue harassed staff from the perils of digital burnout? The answer in France appears to be "Yes". President Francois Hollande's Socialist Party is about to vote through a measure that will give employees for the first time a "right to disconnect".

政府は仕事のEメールを規制して職員が燃え尽きる危険から救い出すべきだろうか。フランスの答えは「イエス」のようだ。おランド大統領の社会党政権は初めて職員に「接続されない権利」を与える措置を採択しようとしている。

Companies of more than 50 people will be obliged to draw up a charter of good conduct, setting out the hours - normally in the evening and at the weekend - when staff are not supposed to send or answer emails.

従業員50人以上の企業は、職員がEメールを送ったり返事をしたりすることが想定されない時間、主として夕方や週末を規定する行為規範を設けるよう義務づけられる。

・・・・・

"Employees physically leave the office, but they do not leave their work. They remain attached by a kind of electronic leash - like a dog. The texts, the messages, the emails - they colonise the life of the individual to the point where he or she eventually breaks down."

「従業員は物理的には事務所を離れるが、仕事からは離れない。彼らはまるで犬のように、電子的首輪でつながれている。テキスト、メッセージ、Eメール、これらは人々が倒れるまで彼らの生活を植民地化するのだ。」

The measure is part of a labour law - named after Labour Minister Maryam El Khomri - many of whose other provisions have sparked weeks of protests in France. The "disconnection" clause is about the only part on which there is consensus.

この措置は労働法の一部で、その他の規定の多くはフランスで数週間にわたって抗議運動を引き起こしている。この「接続解除」条項は合意が得られた唯一の条項だ。

・・・・・

"You're at home but you're not at home, and that poses a real threat to relationships," she says.

「あなたは自宅にいるけれども自宅にいないのだ。」

・・・・

いや結構現代人の姿を言い当てていますね。

もっとも日本の場合、そもそも物理的にすら会社につながれていて自宅に帰れない人も結構いますけど、しかしそれをインターバル規制とかで何とか解決しても、現代デジタル社会では、自宅にいても山のような仕事がやってこれてしまうのもまた現実。

それにしてもこの問題を「接続されない権利」というコンセプトで語ってしまうところがやはりフランスなのだな、と。

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EUの労働法政策」カテゴリの記事

コメント

Like!ですねえ。
現代人の範疇が判りかねますがw、団塊世代がバリバリのビジネスマン時代からすでに個々へのコネクト(私は無断介入と思っておりましたが)ツールは、懐かしのポケベルに始まり今で言うガラケーの前期コネクト時代は法人支給でありましたねえ。税カテゴリーもその主役が法人・個人所得から今や法人・個人消費へとシフトするにシンクロした個人所有となったガラケー(余談ながら、初期ガラケー時代突入の風物詩としてバーのエントランスには必要もないアンテナを屹立させた数多のガラケータワーがありまして・・・なつかしや)は、後期にはいよいよ超個人化最終兵器スマホへと進化を続け今や幼児を除けば家族もそれにてコネクトされる「国民総管理社会」を実現したのでありますw。故にニューエコノミーと称される情報ビジネスとはこれまでの模倣で成り立つ並立可能な経済社会からコネクトの均質性=他人との同期の良さが勝敗を一気に決める選ばれし者の一人勝ちへというのがその変遷であります。と、解ったようなへらずぐちで失礼をいたしましたが、個人を挟んでそれぞれを互いに縛り付ける情報時代に反発する仏社会にLikeを捧げるとともに、一方では個人化を究極達成できるツールに反発せざるを得ないパラドクスに人間社会とは悩ましさとのお付き合いなのかと笑ってしまいました。

投稿: kohchan | 2016年5月15日 (日) 15時37分

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サミットや日米同盟、オバマ演説などへの批判はいくらでも書けるがそれも虚しいので止める。自からの国で、地球で進行する「危機」へは第三者対応ではなく、当事者として責任を感じ向き合わなければならない。しかし、サミットなる「儀式」は実に傲慢で、何が「頂上」だと苛立つのも事実であり、それを利用しようとするアベ政治も実にあざとい。早朝のテレ朝が「マイクロプラスチックの海洋汚染」ドキュメントを放映していた。2050年には、海洋ゴミの量は魚の量を上回るという。すでに魚の体内には有害物質が蓄積され、そんな魚...... [続きを読む]

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