ハワード・ベッカー『アート・ワールド』
訳者の後藤将之さんより、ハワード・ベッカー『アート・ワールド』(慶應義塾大学出版会)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766423242/
アートはいつ、どのように、誰によって「アート」になるのか?▼誰もがアーティストになりうる時代の「創造のプロセス」を鮮やかに解明し、全包括的な「アート・ワールド」の理論を提示する、アメリカを代表する社会学者ベッカーの傑作。
▼アート作品は、才能あるアーティストだけではなく、アーティストや作品を取り巻く人々で成り立つ「アート・ワールド」によってうみだされる。本書では、この「アート・ワールド」の仕組みをあきらかにすることで、「何がアートを成立させるのか」「何がアートとクラフトを区別するのか」「アート・ワールドでの自分の役割はどんな意味を持つのか」「なぜ自分の作品は望ましい評価を得ていないのか」「どうすれば自分の作品をふさわしい受け手に見てもらえるのか」など、あらゆるアートやクラフト関係者が抱くであろう基本的な疑問に、民主主義的な回答を与えている。
▼アマチュア作品やマイナー作品をも包摂しうる、アート・ワールドの理論を示した快著。
という本で、正直言うと、長年にわたって労働などという泥臭い世界にどっぷり浸かってきた身からすると、アートの社会学といわれてもなかなか気持ちがついていかないところがあるんですが、それでも特に第9章の「アートとクラフト」における職人(クラフトマン)とアーティストの複雑な関係などは興味深いものがありました。
1 アート・ワールドと集合的行為
2 規 則
3 資源を動員する
4 アート作品を分配する
5 美学、美学者および批評家
6 アートと国家
7 編集する
8 統合された職業人、一匹狼、フォーク・アーティスト、そしてナイーブ・アーティスト
9 アートとクラフト
10 アート・ワールドの変化
11 評 判
12 25周年記念版へのエピローグ
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