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2016年4月 6日 (水)

マタニティハラスメントとは?@『生産性新聞』4月5日号

『生産性新聞』4月5日号に「マタニティハラスメントとは?」を寄稿しました。

結構多くの人が勘違いをしている点について、さりげに指摘しています。

 今年1月に育児介護休業法等とともに男女雇用機会均等法についても改正する法案が国会に提出されました。これは、本来育児介護休業法の改正を審議していた労政審雇用均等分科会で途中から追加された論点であり、いわゆるマタニティハラスメントに対する措置義務を規定するものです。

 実は、マタニティに関わる規定は既に累次の改正でかなり整備されてきています。1985年の努力義務法においても既に、妊娠又は出産を退職事由としたりこれらを理由として解雇することは禁止されていましたし、2006年法では広くマタニティに関わる不利益取扱いについても禁止の対象となりました。現在既に省令で、妊娠、出産、妊産婦の就業制限による不就業、産前産後休業、妊産婦の時間外・休日・深夜業免除、育児時間の請求・取得、さらには妊娠・出産に起因する症状による不就労や労働能率低下までが「解雇その他不利益取扱い」禁止の対象となっています。さらに指針によれば、この「不利益取扱い」には解雇、雇止め、雇用形態変更、降格、減給、不利益な評価、不利益な配置変更などと並んで、「就業環境を害すること」まで含まれています。ということは、法令上はマタニティに基づくハラスメントの一部も既に禁止の対象ということです。

 一方で、2000年代末頃からマスコミ等でマタニティハラスメントという言葉がよく用いられるようになり、2014年には新語・流行語大賞にも選出されました。ただしその内容は、妊娠・出産を理由とした解雇や不利益取扱いが多く、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなど、ハラスメント独自の規定がなければそもそも規制の対象とならないものとの区別が必ずしもついていない面も見受けられます。たとえば2015年9月、厚生労働省は初めて妊娠を理由とする解雇事案を悪質として公表しましたが、主要マスコミはほとんど「マタハラ」と報じていました。解雇してもハラスメントで済むのなら、こんな楽なことはありません。

 こういう妙な用語法に影響を受けたのか、2015年8月の今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書には全く影を現していなかったのに、同年12月の労政審建議ではマタハラに対する措置義務が盛り込まれました。もっとも、厚労省サイドは世間で言うマタハラの大部分が既に禁止の対象であることは重々承知なので、書き方はいささか込み入っています。すなわち、「事業主による・・・不利益取扱いのみならず、上司・同僚からの行為を防止することが求められる」と述べ、そのための措置はセクシュアルハラスメント規定にならって、事業主に雇用管理上必要な措置を義務づけることが適当としています。こういう書き方であれば、確かに既存規定と重ならない正味の新規規制部分ということになります。

 今年1月に国会に提出された法案では、妊娠・出産に関わる事由に関する言動によって女性労働者の就業環境が害されることのないよう、事業主に「当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と、一見とても緩やかな規定になっています。これを見て、厚労省はマタハラ対策に消極的なのではないか、などと勘ぐってはいけません。法律で禁止できるものは既に全部禁止しているのですから。

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